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東洋紡/「ザイロン」訴訟が和解

2018年03月19日(Mon曜日) 午前11時38分

 東洋紡と東洋紡アメリカはこのほど、PBO繊維「ザイロン」を用いた防弾ベストに関して米国政府から損害賠償を請求されていた訴訟に関して、原告の米国政府と和解した。東洋紡が米国政府に和解金6600万ドル(約70億円)を支払い、米国政府は東洋紡と東洋紡アメリカに対するその他の請求を放棄する。和解契約では東洋紡と東洋紡アメリカは原告の全ての主張を否定し、法的責任を認めていない。

 訴訟は、防弾ベストメーカーからザイロン使い防弾ベストを購入し、補助金を支払った原告が2005年と07年に東洋紡と東洋紡アメリカに対して米国不正請求禁止法などに基づく損害賠償請求を米国コロンビア特別区連邦裁判所に訴えたもの。

 原告は「ザイロン繊維の強度が一定の環境下で早く劣化することを知りながら、東洋紡がそれを開示せず、また、誤解を招くような開示をした結果、欠陥のある防弾ベストに対して金銭を支払うことになった」と主張。これに対して東洋紡は、問題となったザイロン使い防弾ベストはいずれも米国立司法研究所が認定した性能規格試験に合格しており、自社には非はないと主張していた。

 こうした中、訴訟を継続した場合の費用や陪審員評決の不確実性、評決に対する上訴でさらに時間を要する可能性などを考慮し、今回の和解が成立した。和解金支払いなどによって東洋紡の業績に与える影響は現在精査中。