メーカー別 繊維ニュース

KanFA 未来を紡ぐ(16)/宇仁繊維 常務 宇仁 麻美子 氏/わくわくする仕事を

2018年03月30日(Fri曜日) 午後3時10分

 1999年創業の宇仁繊維(大阪市中央区)は、これまで一度も減収決算を経験したことがない。今では、海外法人含むグループの売上高は100億円の大台突破が目前。一部原料以外を純国産にこだわり、「メーカーとして」多品種・小ロット・即納体制を築き、国内外へ生地を売る。創業者であり父である宇仁龍一社長と共にこの体制構築と会社の成長を支えてきたのが、宇仁麻美子常務だ。

  ――入社の経緯を教えてください。

 前職は東レで、資材関係の仕事をしていました。機嫌よくOLをしていたところ、父が桑村繊維を定年退社し、会社を立ち上げることを聞きました。「人手が足りないし手伝わないか」と言われ、「父親と一緒に仕事することなんて考えられない」と戸惑いましたが、宇仁繊維への入社を決断するまでそう時間はかかりませんでした。元々洋服が好きだったことや、自分には細かな仕事のほうが向いていると感じていたことがその理由になりました。

  ――父親と一緒に仕事をするということに違和感は。

 違和感という意味では入社以来、今もずっとあるのかもしれません。ただ、その違和感よりも会社の規模の違いの方がギャップでした。大企業である前職とは違い、一から十まで自分でしなければいけない。大変でしたが、勉強になりましたし、やりがいも感じています。

  ――経営に関して、常に心掛けていることはありますか。

 ファッションが好きで、人間も好き。そんなメンバーが集まって、楽しく前向きにやっていきたいと常に考えています。当社は女性、しかも若い人が多いので、そのパワーをうまく活用するのが私の仕事。経営者として――というような立派なことは言えませんが、仕入れ先や販売先、会社の仲間たちと一緒に、わくわくするような仕事をこれからも続けていきたいですね。

  ――取り巻く環境は厳しさを増していくと思います。

 国内ファッション業界が右肩上がりで成長することはありえないでしょう。ただ、われわれが着る服は誰かが作らないといけない。だから、新しい商品やサービスを常に提案していけば、活路はあるのではないかと考えていますし、海外市場は成長していくわけですから、輸出にももっと力を入れていきます。

〈繊維業界への思い入れ〉

 「衣食住の衣なのに産業全体で見るとこの業界の位置付けが低すぎる」と危機感を抱く宇仁さん。日本にもかつて繊維が産業全体をけん引した時代があった。しかし、海外シフトが進み、その存在感は往時と比べると極めて希薄になった。「衣の充実が人の心を豊かにする」と信じ、自社がその一端を担う存在で居続けられることを願う。