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宇仁繊維/引き続き「高級化」推進/取りこぼさず業績拡大へ

2018年04月03日(Tue曜日) 午前11時38分

 宇仁繊維は引き続き、シルクやジャカードなどで開発生地の「高級化」を推進するとともに、大手アパレルへの拡販戦略を加速し、業績拡大につなげる。

 高級化路線は、シルク、ジャカード、デジタルプリント、トリアセテートなどで進める。シルクは「原料が高騰しているが強力に推進する」(宇仁龍一社長)。生機は輸入だが、染色加工は国内を基本とし、ジャパン・クオリティーも訴求する。

 ジャカードでは4月から「5 GO JQ P」(ゴーゴージャカードプロジェクト)という社内プロジェクトを立ち上げた。自社で織機を購入した上で提携機業に貸与するという従来の手法も含め、専有ラインの拡大、賃織り先の拡充などでジャカード織物を大幅に増強するもので、2年後には各産地合わせ計250台のジャカード織機稼働を目指す。

 デジタルプリントの増強は提携する美研繊維(京都市)を軸とするが、柄開発は「徹底的に強化する」とし、4月に新設したデザイン企画課を中心に攻勢をかける。柄見本用のインクジェットプリンターも現在の1台から2台に増強する。

 トリアセテートでは三菱ケミカルとの連携により、品番を拡充して高級婦人服市場を開拓する。

 高級化路線の背景には、大手アパレルへの販売拡大を図るために2016年に立ち上げた「深掘り36ブランド推進委員会」も関係する。主力のポリエステル薄地織物を多品種・小ロット・短納期で販売するこれまでのビジネスモデルに加え、大手アパレルが求める高級、上質な生地を開発、提案することで業績拡大を図る。

 活発化する衣料品のネット販売も高級化路線の背景にある。宇仁社長は「人件費や店舗経費が圧縮されるので良い生地を使おうという機運が高まるはず」との仮説を立てる。現在のネット販売では価格訴求が盛んだが、高級路線へとかじを切り直したいアパレルのニーズを取り込んでいく。

〈上半期は微減収増益〉

 宇仁繊維の本年度上半期(2017年9月~18年2月)単体業績は、売上高が前年同期比0・5%減の35億円強とやや苦戦したが、利益は各種ロスの削減により倍増となる見込み。

 宇仁龍一社長によると上半期の苦戦には、生地輸出が前年同期比5%減となったことや、大手アパレルへの拡販戦略が「思うように進んでいない」ことなどが影響した。輸出の苦戦は前の期が大幅に伸びていたことの反動のほか、人員減も響いた。4月の新卒、中途含め改めて人員拡大を図り下半期での反転を期す。

 国内向け生地販売は微増収だった。百貨店アパレル向けが奮わなかったものの、SPAや小規模アパレル向けは好調な推移。

 利益貢献したロス削減では、見本反作製の効率化や開発費の抑制などが奏功したほか、開発生地の高付加価値化、高級化も寄与した。

 通期では前期比3~5%増収を見込む。