タイCPN/東南アの複合開発トップ5へ/5年で3千億円超投資

2018年04月05日(Thu曜日) 午前11時9分

 タイの商業施設大手セントラル・パタナー(CPN)は、2022年までに約900億バーツ(約3060億円)を投資する。タイ各地のモール開発で成長してきた同社は、今年後半には海外初となるマレーシアの商業施設をオープン。東南アジア他国への展開とポートフォリオの多様化を進め、向こう5年で域内の複合開発でトップ5入りを目指す。

 今年第4四半期(10~12月)には、マレーシアの首都クアラルンプールの南西30㌔に位置するスランゴール州都シャーアラムのモール「セントラルiシティー」を開業させる予定。賃貸スペースの面積は8万9千平方メートル(百貨店含む)。同施設への投資額は83億バーツで、CPNは60%を出資し、運営も担う。

 セントラルiシティーのアンカーテナントである百貨店、スーパー、映画館は既に決まっており、衣料品店やフィットネスジムなどとも交渉がまとまっている状態。ASEANの中で比較的所得が高いマレーシアで、首都郊外の需要を取り込む。

 「ベトナムの商業施設開発の可能性を探っている」――。CPNのIR担当者はこう話す。ASEANの主要な商業開発・運営会社になる目標の実現に向けて各国の調査を進めており、特にベトナムの将来性と事業の実現性が高いと見込む。

 CPNの18~22年の投資総額は937億バーツで、このうち主事業であるモールが大きな割合を占める。モール開発に計223億バーツを投じるほか、新たな機会への予算として392億バーツを計上する。

 IR担当者は「タイの地方の大規模モール開発にもまだまだ可能性が残されている」とも指摘。今年上半期中に南部プーケットの「セントラル・プーケット」を開業予定。19~22年にも国内外合わせて年間2~3軒を開く方針を示す。

〈5年後、年商500億バーツ以上に〉

 CPNの17年12月期連結決算は、売上高が前年比18%増の346億バーツで、臨時収入を除いた場合は6%増の309億バーツ。純利益は47%増の136億バーツ(臨時収入分を除くと7%増の99億バーツ)となった。

 ナパラット最高財務責任者(CFO)は「臨時収入を除いた売上高で、向こう5年で年率13%の成長を達成したい」と語った。実現すれば、22年は17年比64%増の568億バーツとなる。

 ナパラット氏は、目標達成に向け、オフィスビルやホテルなどからの収入を増やしていきたいとの考えを示した。住宅、オフィスビル、ホテルを含めた複合開発により、運営する商業施設への集客を増やす。昨年には、ホテル経営大手デュシタニとの合弁によるバンコク中心部の開発のほか、コンドミニアム(分譲マンション)3事業の立ち上げを発表していた。

 CPNは、昨年末時点で商業施設32店舗(賃貸スペースは計166万平方メートル)。うち、バンコク首都圏が14カ所(91万平方メートル)、地方が18カ所(75万平方メートル)。賃貸スペースの入居率は92%だった。

 【メモ】CPNは1980年6月設立。95年3月にタイ証券取引所(SET)に上場した。流通大手セントラル・グループの中核的な存在で、不動産開発と投資を担う。

〔NNA〕