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繊維街道 私の道中記/明石スクールユニフォームカンパニー 社長 河合 秀文 氏(4)/カジュアルの失敗生かす

2018年04月12日(Thu曜日) 午前11時34分

 2000年、宇部工場(山口県宇部市)をリニューアルした。学校別注の増加に伴い、安定的な生産のため、国内工場の整備に改めて乗り出した。同時に協力工場とも、年間を通じて安定した受発注体制を築いていった。売り上げは伸び始めてきたが、学販スポーツは逆に、25億円前後あった売り上げがじわじわと落ち込み、20億円程度になっていた。

 学販スポーツは、尾崎商事(現菅公学生服、岡山市)が「リーボック」の導入を1999年に始めており、中学・高校向けに売り上げを伸ばしていくには、当社にもブランドが欲しいところでした。商社に頼むと、幾つか海外ブランドの候補を挙げてきました。

 カジュアルでの経験を踏まえると、海外企業とは意思疎通が難しい。学生服のようにじっくりと育てて、市場に長く浸透させていくようなビジネスは説明と理解が必要です。組むなら日本の企業が良いと考えました。日本企業同士であれば、話し合えばいろいろ分かってくれる。

 そこで、身近に感じていた「デサント」に打診しました。確か2001年ごろに交渉を開始しました。一度は諦めかけましたが、粘り強く交渉し、専業スポーツメーカーであるデサントさんと学校向け体育衣料でぜひ組みたいと強く訴えました。

 当社の持つ全国の学校への営業力などを評価していただき、無事にライセンス契約を結ぶことができました。コラボが決まってから、どのブランドを使おうかとなるのですが、先方から「デサント」にしましょうと言われ、正直、驚きました。

 04年、デサントと学販スポーツウエア部門でライセンス契約を結び、05年の入学商戦から本格的に展開を始めた。05年は実質数カ月ほどしか、販促できなかったにもかかわらず、予想以上の採用が決まり、学校関係者からの問い合わせが相次いだ。

 よく考えれば、社名にもなっている自社ブランドを一介の企業に貸すということは非常に勇気がいることです。貸していただいたブランド=社名に絶対に傷を付けてはいけない。信頼してもらったからには、当社も本気になって学販スポーツ市場でデサントをナンバーワンブランドに育てなくてはいけないと思いました。

 導入以来、毎年100校以上の新規採用校があり、18年の入学商戦では過去最高となる200校を超える採用があった。累計の採用校は千校が限界といわれる中、デサントは1700校を突破。学販スポーツは現状売上高が40億円を超えた。12年にはデサントと「ルコックスポルティフ」でライセンス契約を結び、介護・メディカルウエアで展開。企業向けユニフォームもルコックによって売り上げを伸ばし、売上高20億円の突破が見えてきた。