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紡績の素材開発最前線(2)/富士紡ホールディングス/「デオスカイ」新開発

2018年04月17日(Tue曜日) 午前11時34分

 富士紡ホールディングスは、綿本来の風合いの良さを生かしながら、そこにさまざまな機能を付加する素材開発に取り組む。これまで多彩な機能素材開発の司令塔となってきたのがフジボウテキスタイル和歌山工場。

 今年に入って吸汗速乾、抗菌防臭、さらに汗消臭機能をも併せ持つセルロース100%素材「デオスカイ」を開発した。この三つの機能の一つ一つは肌着やスポーツウエアとしてそれほど珍しくないものだが、三つの機能が一つとなった素材は今回のデオスカイが初めてだろう。

 これまで吸水速乾性と汗の消臭加工の両立は難しいとされてきたが糸構造の工夫や生地を加工することによって実現した。吸水速乾力では通常、乾きやすいとされるポリエステル生地にも劣らない性能を誇る。

 抗菌防臭機能は臭いの原因になる細菌の増殖を抑えることで実現。消臭機能では汗に含まれるアンモニア、酢酸、イソ吉草酸のそれぞれで臭い成分を70%以上減少させることに成功した。吸汗速乾、抗菌防臭、汗消臭のいずれの機能も耐洗濯性もある。

 こうした綿を主体とした素材開発で、重要になるのが、綿の風合いをそのままに機能を付加することだ。機能加工と風合い加工の併用は、化学的な側面から極めて高いハードルとされるが同社はこれまでの研究開発の蓄積を生かし風合いと機能の両立を実現してきた。

 消臭加工では、抗菌防臭加工との複合化が進み、汎用性がより高いものになってきた。抗菌防臭・消臭が効能を発揮する対象もアンモニア臭や汗臭だけでなく、部屋干し臭の原因菌であるモラクセラ菌やミドル脂臭の原因であるジアセチルへの効果も併せ持つ機能を開発している。

 近年、セルロースナノファイバーを使った新素材の開発にも取り組む。生地の強力や洗濯耐性、寸法安定性などでプラスの効果が得られないか研究開発が続く。