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大手学生服メーカー/都市部でMC校獲得順調/学校の新たなニーズ捉える

2018年04月25日(Wed曜日) 午前11時11分

 学生服メーカー大手4社の今入学商戦は、都市部を中心に制服モデルチェンジ(MC)校の獲得が順調に進んだことに加え、スクールスポーツでの新規採用校を大きく伸ばしたことで、3社が今期増収の見通しを示す。来期も都市部でのMC校獲得を進める一方で、学校の新たなニーズを捉えようとする動きを強める。(於保佑輔)

 今入学商戦は、例年に比べMC校数が少なかったが、大手4社のうち、菅公学生服(岡山市)、トンボ(同)、明石スクールユニフォームカンパニー(明石SUC、岡山県倉敷市)の3社は、順調に新規の獲得が進んだ。

 文部科学省「学校基本調査」によれば、新入生は前年に比べ6万人減少。しかし、「私学は生徒が減っていない」(トンボの近藤知之社長)のが実情で、生徒数が多い都市部で販売を伸ばした。一方で瀧本(大阪府東大阪市)は、「新入生の減少が響いた」(高橋周作社長)ことで苦戦した。

 スクールスポーツは、アシックス・ジャパンの事業見直しの影響で、明石SUCが「デサント」で過去最高となる200校超の新規採用校を獲得、ブランドが「市場に定着してきた」(河合秀文社)ことが寄与した。トンボも、ウオームアップウエアに着想して開発した「ピストレ」の販売が、「ヨネックス」とともに堅調。瀧本を除く3社は前期に続き、過去最高の売上高達成が見えてきた。

 来入学商戦の入学者数は、前年より高校が減るものの、中学校は増え、中高合わせて6千人ほど増える見通し。MC校は近年減る傾向にあるが、都市部では依然としてMC需要は活発で、首都圏を中心に獲得に向けた攻防が激しさを増す。

 昨年、名古屋の販売会社を支店化し、都市部での販売戦略を強めるトンボは、今年7月に東京支社を本社に格上げし、岡山本社との両本社制とする。「販売・企画の機能も東京本社に持たせることによって、関東での拡販を強化する」(近藤社長)のが狙いで、数年以内の関東での物流センター設置も計画する。

 制服更新だけでなく、学校のサポートを強化する動きも活発化。菅公学生服は学校教育のサポートをはじめとする教育ソリューション事業で、私立を中心に30~40校へ取り組みを広げる。「特色をどうやって出したいかは、学校によって異なる」(尾﨑茂社長)ことから、イメージ刷新やキャリア教育など、学校が抱える悩み解決のための動きを強め、事業として育てる。

 瀧本は、来期からの新3カ年中期経営計画で「世の中の変化に対して、どういう切り口で入っていけるかを考えながら、さまざまな価値の強化を盛り込む」(高橋社長)方針。電子商取引(EC)活用の新しい仕組み作りも試み、「消費者のニーズに、より明確に応える」姿勢で巻き返しを図る。

 明石SUCは「明石SUCセーフティープロジェクト(ASP)」として、産学連携で防災関連の商品開発などに取り組み、全国の学校へ防災への啓発活動を推進。ASPに携わる社員が積極的に防災アドバイザー資格を取得するなど「取り組みを深化させる」(河合社長)ことで、メーカーとしての新たな役割を追求する。