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特集 タオル&水回り(2)/有力製造卸の進路

2018年05月23日(水曜日) 午後4時7分

〈浅野撚糸/専務 浅野 宏介氏/ネットの比率高まる〉

  ――今期の業績はいかがですか。

 上半期(2017年11月~18年4月)は、特殊撚糸「スーパーゼロ」の販売が好調で、特にベトナムとポルトガルへの輸出が伸びています。前期1年間の輸出売上高は4500万円でしたが、今期は既に5千万円に到達しました。国内販売を含めた通期売上高も前期を上回る見通しです。タオルの「エアーかおる」はテレビで紹介された反響が大きく、販売は順調に推移しています。2018年10月期の売上高は「エアーかおる」で6億4千万円、スーパーゼロなどの売糸と賃加工の撚糸事業で4億8千万円を見通しています。

  ――エアーかおるの販売状況を教えてください。

 4月末で累計販売枚数は570万枚に達しました。主要な販路はテレビ通販で、売上高の20%を占めていますが、最近はネットの比率も高まっています。中でも自社サイトからの注文が増えており、これまで多かった他社の通販サイトから徐々にシフトしています。今年も中国で開かれる美容博覧会に出展し、アピールします。中国での輸出実績は億の単位を目指していきたいですね。中国以外のアジアにも目を向けたいです。

 ――今後の課題を聞かせてください。

 営業でさまざまな引き出しや情報を持つことが大切だと感じています。一つの商品に捉われ過ぎず、主軸とする糸でいろいろなモノ作りをして、顧客に提案できればと考えています。

〈犬飼タオル/社長 犬飼 一善 氏/顧客満足から感動へ〉

  ――今期の上半期の実績と通期(8月期)見通しは。

 上半期(2017年9月~18年2月)の売上高は前年同期に比べて微減収です。通期でも微減収か前期並みとなりそうです。かつて大きな構成を占めていたギフト市場向けの縮小が響いています。収益面でも物流コストの増加など厳しさを増しています。今後、顧客満足からさらに一歩進んで感動を与えるようなモノ作りが不可欠と考えています。

  ――展示会への出展は積極的ですが。

 今年も昨年に続き、6月の「東京ファッショングッズトレードショー」、7月に行われる「雑貨エキスポ」に出展します。ただ、主力の取引先である2次問屋さんを飛び越えた小売店さんへの直売の予定はありません。あくまで市場のニーズやウオンツを探るのが目的です。最終顧客の声を聞くことにより、企画力の強化につながればと思っています。特に雑貨エキスポは異業種との交流もあり有益です。一期一会で継続していきます。半面、毎年1月に開いている当社の個展ですが時期、規模も含めて新たな発表会を模索しています。展示会そのものも顧客に感動を与えたいですね。

  ――今後の方針として取り組まれることは。

 顧客からも仕入れ先からも選ばれる企業、存在価値のある企業を目指していきます。価値観のあるモノ作り、信頼を大切にした取引。そして全社員が新たな市場・需要を創造できる“考える集団”に変貌できるよう努めていきます。

〈オーミケンシ/執行役員 製品販売部長 岩切 直彦 氏/別注に注力〉

  ――2018年3月期はいかがでしたか。

 前期比微減収でしたが、利益は改善しました。在庫を構えるプロパー商品を絞り、販売先ごとにオリジナル品を供給する別注へシフトを進めました。

 慶事ギフトはカタログの切り替え時期に更新せず、ソフトランディングにプロパー商品を絞り、別注対応する形に変えてきました。プロパー商品を構えることは経費がかかる上、ハンドリングが年々難しくなっている状態で、構造を変えていく必要性があります。

 仏事向けについては元々別注品が大半のため継続して取り組んでいます。

  ――自社オリジナルデザインにも力を入れています。

 好評です。カラーは定番のブルー系やピンク系以外に、グリーン系も案外人気があります。

  ――今期の方針は。

 別注品の受注に引き続き注力します。当社の加工技術を生かした機能テキスタイルシリーズ「プリマ・ヴィスタ」は、綿の水分保持力や膨らみ感が高まる「ベビータッチ」などが別注で採用されており、継続して提案します。今期は、安心して使える天然の原料由来の後加工「温故知新シリーズ加工」の提案にも力を入れます。

 ホームセンター向けなどの業務用タオルは販路を広げます。

 16年末にライフスタイル販売部と、テキスタイル・アパレルを扱う東京販売部が一つになり、製品販売部となりましたが、融合で相乗効果を高めます。

〈合同商事/社長 橋本 英一氏/学販ルートにタオル商材〉

  ――4月1日付でギフト向け繊維製品を手掛けてきたトーホーを吸収合併しました。

 合併後、旧トーホーのライフスタイル事業部と、ユニフォーム事業部の2事業部体制となりました。開発チームは両部を兼任する形になり、社内連携を進めます。

 ユニフォーム事業部はスクールシャツが強みです。その学販ルートを生かし、タオル商材を学校へ販売できないか検討しています。東洋紡グループの機能素材を生かして、例えば部活動で名入れタオル、熱中症予防タオルなどを提案できないか考えています。その点でも相乗効果を高められます。

  ――ライフスタイル事業部は今後どのように取り組みますか。

 旧トーホーで進めてきたタオル強化を引き続き進めます。数年前まで寝装の割合が80%でタオルが20%でしたが、ここ数年タオルの比率を高めており、現在は寝装65%、タオル35%の比率です。また海外製中心から国産にシフトしています。

 タオルギフトは仏事が主力でしたが、内祝い用などの拡大を図っています。16秋に発売した今治製「ふわふわほっぺ」は、使用する東洋紡の伝統糸「金魚」をあえて前面に出さず、肌に優しく頬擦りしたくなる無撚糸タオルとして打ち出し、順調に売れています。

 さらに京都・宮川町に店を構える手紙道具店「裏具」とコラボレーションした「金魚」使いの今治製タオルも打ち出し、拡販へつなげます。

〈小杉善/社長 小杉 啓生氏/タオル本来の機能伝える〉

  ――2018年2月期の業績はいかがでしたか。

 前期比増収減益でした。上半期は2年前に当社のシェアが拡大した効果がプラスに働いて増収でしたが、下半期は伸び悩みました。今年1月以降は減収基調になっています。利益面は本社社屋の改修工事のほか、運賃など出荷コストが増えた影響を受けました。

  ――今期の見通しはいかがですか。

 中国生産、国内加工賃、運賃の各コストとも上がっています。コストアップ分を売り上げ拡大によってカバーできれば良いのですが、消費意欲がそれほど高くない中で売り上げを拡大することは容易ではなく、今年は厳しさを見込んでいます。

 一方でバイヤーが売価ラインは守りながらも単価だけに固執していないように感じます。セールを打っても消費者が買いに来ず、価格だけでは動かないことを肌で感じているのかもしれません。消費者が本当に必要な時にだけ買えばいいという傾向になっています。

 デーリーユースタオルは特殊な商品ではなく、技術もある程度出尽くしていると思います。原点に返り、タオル本来の機能を引き出す企画開発を進め、シンプルにタオルの良さを伝えます。これは既存商品の掘り起こしにもつながります。

 加えて色柄を含めて見せ方を工夫し、短サイクルで回していく手法も必要です。衣料に近い直感的に買ってもらえるような感覚に訴える商品作り、売り場提案にも力を入れます。

〈サンコー/社長 角谷 太基氏/“砂粒”が新たな市場〉

  ――どのような方針で取り組んでいますか。

 当社は「おくだけ吸着」の繰り返し貼って剥がせるニードルパンチと、「びっくりフレッシュ」のポリエステルフィラメントの二大素材を中心に、顧客の声を基に横展開して、世の中に役立つ商品作りを行っています。モノ作りにはユーザーへのアンケートであるボイスカードの声を生かし、他社との差別化につなげています。商品の伝え方にもこだわっています。

 一方で、ボイスカードは現時点の困りごとに対して応える形になっていますが、市場創造には至っていません。

 市場を瓶と石に例えると、大きな瓶に大きな石を入れるとすき間が生まれます。そこに中くらいの石を入れてもまだ隙間ができます。そこにはまだ砂粒を入れるスペースがあります。その砂粒が新たな市場で、よりきめ細やかな対応が求められますが、まだ新領域はあると考えています。

  ――定期採用を続けています。

 やはり人が大切です。ここ10年ほど毎年、複数人を定期採用しています。以前は会社説明会1回あたり約60人、3回で約180人が集まりましたが、売り手市場の中で1回あたり20人ほどしか集まらなくなりました。今年から社員の家族会のようなものを開くことを考えています。今の若い人は親に相談することも多いことから、会社見学を通してご家族にも会社のことを知ってもらいたいと考えています。

〈新徳丸/社長 中島 広氏/秋冬寝装・インテリアも〉

  ――2018年6月期の業績はいかがですか。

 前期比増収増益で推移しています。為替が1ドル=110円前後で推移していたこともプラスに働いています。売り上げの伸び率20%に比べて、利益率は若干下回りましたが、期初からの想定内です。

 雑貨小売りをはじめとした新規取引先が増え、繊維卸を通した中小量販店向けも拡大しています。多様な顧客に対応するため、SKUを前年の2.5倍に増やしたことも奏功しています。

 18春夏では「ラージタオル」(綿100%、90×180センチ)が感度、鮮度の良い売り場を中心に好調です。ケットや敷物、ストールなどとして使える4タイプを展開、既に初回計画数量は消化し期中追加生産投入しています。

  ――来期の方針を教えてください。

 タオルは秋冬向け商材が弱く、顧客要望も踏まえて、ファッション性を重視したタオル使いの寝装・インテリアを打ち出します。さらに18秋冬向けODM対応のブランケット類を投入し、反応を見ながら19秋冬にポリエステル使いの寝装・インテリアを手張りする予定です。

 調達面では中国から後晒し品を増やします。泉州製タオルの付加価値化にも取り組みます。

  ――課題は。

 企画・商品力に関して全く不安はありません。変化する流通に適宜対応できるデリバリー体制を更新し続ける事が重要であり収益を左右します。要は売上高より、いかに稼ぐかが最重要課題です。

〈スタイレム/ガーメント事業部LSGrp.部長 平井 賢二氏/今治謹製1千万個〉

  ――ギフト市場をどう見ていますか。

 食品にタオルが取られています。特に洋菓子系が伸びています。ただタオルと比べて利益率が低く、ギフト業界ではタオルを増やさないといけないという空気になっています。当社への期待度は高く、その期待に対してしっかりアプローチします。

  ――タオル事業の業績はいかがですか。

 2018年1月期は前期比微増収でした。今期の2、3月は、前年同期が過去最高レベルの出荷数があったことから前年比で厳しさがありましたが、4月は持ち直しつつあります。

 「今治謹製」シリーズは順調で当初の予定通り5月中に、04年の第1弾発売から累計販売数1千万個を達成できる見通しです。

 今治謹製は17年、木箱入りタオルギフトとして初めて「グッドデザイン賞」を受賞しました。1千万個キャンペーンとともに、今治製タオルの中でも別格のタオルとして仕掛けていきます。

 今治謹製の専用サイトも4月に立ち上げており、ブランド価値をさらに高めます。インスタグラムやフェイスブックも積極的に活用していきます。

  ――今治謹製以外は。

 バラタオルの売り上げも伸びています。ライセンスブランドは、ライフスタイル型を重視しています。ドイツ・ベルリンのコインランドリー「フレディレック」では洗剤とタオルのセットなどを提案します。

〈ナストーコーポレーション 社長 尾池 行郎氏/スポーツ、キャラに特化〉

  ――2018年4月期はどのように着地しましたか。

 前期比微減収微減益でした。下半期に厳しさがありました。

 販路別では伸びている企業もありますが、全般的に荷動きが鈍く、定番品が良くありません。主販路のチェーンストアや衣料系量販も伸び悩んでおり、あまり楽観視はしていません。

 夏物は比較的堅調です。「スーパークールタオル」は、ドラッグストア向けや別注が拡大しており、前年比4倍の数量を受注しています。また巻きタオルも数量ベースで前年比10%増えています。

  ――今期の方針を教えてください。

 今期はスポーツタオルやキャラクタータオルに特化します。スポーツタオルは、ハイレンジの「プーマ」「ルコックスポルティフ」、ミドルレンジの「アウトドア」「カッパ」「ヘッド」の5ブランドを扱っています。スポーツプラス機能性を取り入れて差別化も図っています。

 タオル市場では旧来型の小売店の閉店による影響、販売先による仕入れルートの変更、EC(電子商取引)マーケットの拡大が続くと見ています。特徴がないと生き残れないでしょう。

  ――マイクロファイバー使いも強みの一つです。

  綿が高騰して中国から入ってこない時に導入し、10年近く売っています。消費者の好みは分かれますが一定の層に浸透しています。新たにマイクロファイバー使いのヨガ用タオルも打ち出します。

〈日繊商工 社長 俣野 太一氏/タオルの売り場を広げる〉

  ――2017年12月期の業績はいかがでしたか。

 伸び悩みました。既存の流通先が落ち込んでいます。今期も厳しい立ち上がりで春商戦も鈍さがありました。我慢のしどころです。

  ――「日本の湯」シリーズを打ち出しました。

 今治、泉州、三重の三大産地からおぼろタオル、花椿テリー、竹利タオルがそれぞれ打ち出す贈答用純白タオルは、当社商品の「ルルルワークス」と同様に生産者の思いを伝える点を重視しながら、清潔感や上質感を持たせることができました。パッケージを工夫した「銭湯シリーズ」は視覚的に映えて小売関係の反応が良く、生活雑貨専門店のロフトにも採用が決まり、順次展開されます。観光地や温泉地の土産物店や道の駅などへも浸透を図ります。

  ――30日から東京ビッグサイトで開かれる「インテリアライフスタイル」展へ出展します。

 ガーゼタオル「天使のガーゼ」を中心に提案します。

  ――今年、創立70周年を迎えました。

 タオル業界ではまだまだ若輩者です。今夏に催しを予定しており、顧客に感謝の気持ちを伝えたい。

 当社は先代の時から「需要創造」を掲げて取り組んできました。今までタオルを置いていない場所にタオルを広げていく。陳列やパッケージも工夫して裾野を広げていくことを目的・目標に商品開発しています。自ら市場を開拓していく需要創造に今後も取り組んでいきます。

〈本多タオル 社長 本多 正治 氏/倉庫改装、物流強化へ〉

  ――2018年8月期業績の見通しはいかがですか。

 現在のところは微減収で推移しています。1~3月が盛り上がりに欠け、受注状況などは良くありませんでした。最近は特に消費者のギフト離れが顕著に進んでいます。例えば冠婚葬祭などでタオルを贈るということが本当に減ってきていると感じていますね。売上高の構成比は量販、専門店向けが60%、ギフト向け20%、名入れ、一般企業向けは20%となっています。量販店への直接の取引も増えているほかに、展示会などがきっかけで新規顧客の開拓も進んでいます。

  ――昨年、名古屋市港区にある倉庫を改築しました。

 物流機能の強化を図ることが目的で、昨年11月に改築工事を行いました。倉庫に中2階を設け、タオルを保管できる量を増やしました。今の所は倉庫として問題なくやれていますが、今後はもう一歩踏み込んでいきたいと考えています。倉庫の事務所にスタッフを常駐させ、ここから直接出荷できる体制を整えていきます。

  ――これからの課題や取り組みを教えてください。

 商品開発をもっと柔軟に捉えて、顧客が喜ぶ物、売れる物をさらに追求します。人材育成にも力を入れます。会社はやはり人が大事で、若手社員をどう伸ばしていくかがとても重要です。そのためには、見本となる先輩社員の存在が不可欠で、トップにいる自分が率先していきます。

〈プレーリードッグ 社長 松岡 良幸氏/常に新たな発想で〉

  ――2018年3月期の業績はいかがでしたか。

 前期比5%減収でした。ただ目先の数字だけにとらわれずに、消費者の方を向いたモノ作りが必要です。従来のギフト市場は決して良くありません。ギフトは効率が良い分、逆算していくモノ作りのため発想が広がりにくい面があります。効率良く売れるから限られたパイの中でシェア争いをしがちです。常に考えて新しい発想で取り組まないと行き詰ります。

 当社の事業はギフトと、ライフスタイルの2分野に大きく分かれます。元々ライフスタイル、ギフト分野で別々の組織を設けていましたが、両分野の営業・企画を一本化して取り組んでいます。ライフスタイルの商品をギフトでも展開するなど、両分野で同じ商品を扱う形にしています。ライフスタイル分野では消費者が求めているものと合致すれば売れます。商品が消費者のライフスタイルにとってどうかという視点からのモノ作りもギフトには必要です。

  ――ライフスタイルでは繊維製品以外にも力を入れています。

 その一つがバシルやブロッコリー、赤キャベツなどを簡単に育てられる有機種子の「スプラウトのタネ」です。種子販売はホームセンターの園芸売り場などが頭に浮かびますが、おしゃれなライフスタイルに落とし込んで新たな売り先へつなげます。食べるこんにゃくを使った洗顔スポンジをギフトでも提案します。フットワーク軽くチャレンジします。