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シキボウ タオル糸販売/風合い+機能で提案/新たな需要開拓へ

2018年06月12日(Tue曜日) 午前10時53分

 シキボウは今治タオル産地に向けた糸販売で、これまでの風合いに加え機能も併せ持つ糸の提案を始める。今治産地では2017年初めから糸需要の鈍化が続いていることから、機能という新たな付加価値で新規需要を掘り起こす。

 吸水速乾の機能を持った2層構造糸「クイックドライコットン」はその一つ。30番単糸で混率は綿70%・ポリエステル30%。糸構造によりポリエステル混ながら風合いは綿のような肌触りを実現する。

 タオル以外のリネン製品やシャツ地に従来施してきた機能加工も、今治タオル向けに提案する。抗菌効果で部屋干し臭を抑える機能加工「ルームドライ」をタオル素材に展開する。繊維上の細菌の増殖を抑える制菌加工「ノモス」をタオルへの製品加工で始める。

 20年の東京五輪と関連させたタオル糸の拡販も、今期(19年3月期)の重点戦略の一つ。ギリシャ産綿混の4層構造糸「オリンピアコットン」がその中心的な役割を果たす。オリンピック発祥の地であるギリシャ産の綿花を使用することでストーリー性を持たせ、糸の設計はアスリートの筋肉をイメージした。綿花の特性と糸の設計によりコシと柔らかさを併せ持つタオルができる。オリンピアコットンは16年に提案を始めた。今期は、東京五輪が開催まであと2年となり、関連したタオルの生産増に合わせて提案をさらに強める。

 紡績メーカーは今治タオル産地で近年、風合いの良さに重点を置いた糸の販売に力を入れてきた。今治ブランドの全国的な浸透もあって15、16年は今治タオルの売れ行きが好調で、同産地での月の糸消費量が平均して5千コリを超えていたという。ところが17年1月から現在に至るまで同産地での糸の消費は4500コリ前後と鈍っている。今後、新規需要の開拓を狙って、風合いと機能の両立や原綿へのこだわりなど従来と違った視点からの糸の付加価値化が強まりそうだ。