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学生服業界 徐々に海外生産高まる傾向/20%前後を目途に検討へ

2001年10月04日(Thu曜日)

 学生服業界は単価下落などを背景に海外生産の活用を検討するところが増えてきた。学生服の生産は国内縫製が90%以上を占める。国内のアパレルの中でこれだけ国内縫製を維持しているのは他にないだろう。

 いまやカジュアルウエア、紳士服、婦人服、肌着などは海外生産の傾斜を強め、圧倒的に国内から海外に移行した。そうした中で学生服業界といえども、最近では単価下落を背景にコスト削減を迫られ、海外生産をある程度増やしていかざるを得ないところにきたようだ。

 学生服メーカー最大手の尾崎商事では、学生衣料の海外生産比率は10%弱、金額ベースで5%という。アイテム的にはスクールシャツや夏用の替えスラックスが中心で、インドネシア、中国で専用ラインを設けて対応している。スクールシャツの生産はすでに海外縫製が多くなり、6割強に達する。しかし、同社は国内に本社工場、米子工場、都城工場、志布志工場の基幹4工場を中心に約2000人強の国内縫製人員を有し、国内では最大規模の縫製能力を持つ。今後、海外生産は国内生産とのバランスをみながら増えていく見通しだ。

 大手学生服メーカーの瀧本も海外生産比率は現状2%程度であるが、5年先には20%に持っていく予定だ。同じく大手学生服メーカー、テイコクの海外生産比率も現状、6~7%程度で、体育衣料用白物シャツ、スクールシャツ、替えスラックスなどをインドネシア、中国で生産している。このほど就任した落司量則社長は「海外生産比率を将来の課題として、20~30%まで持っていけるかどうか検討している」という。

 しかし、同じ学生服業界でも国内生産へのこだわりを追求しているところもある。大手学生服メーカーの明石被服興業は総事業費13億円を投じて基幹工場の宇部工場(山口県)を昨年末に建て替え、今年から本格稼働させている。日本国内の縫製工場で13億円も投じてリニューアルするのは非常にまれなケースである。同社の河合正照社長は「日本のアパレルはこれまで安いコストを求めて海外に進出し、結果的には供給過剰に陥り、大きな無駄を作ってきた。そういう反省に立って、アパレルメーカーはモノ作りの責任や原点に立ち返り、海外と国内生産との住み分けをしっかり踏まえ、国内の生産基盤を守っていくことが重要」と強調する。

 学生服の主力産地である岡山・児島地区では、まだまだ国内生産へのこだわりは強い。また、学生服の場合、合格発表から入学式までの限られた納期や生産ロットなどを考えると、現状では海外で生産できるアイテムも限られている。いまのところスクールシャツ・ブラウス、替えスラックスなどが中心で、スクールシャツだけをみると、海外生産比率が40%強ぐらいまで高まってきた。しかし、詰襟服、ブレザーは試験的に海外で生産するところが出始めてきたところだ。

 丸紅岡山支店の中川定文支店長は「産地の学生服メーカーは自家工場を持っている関係で、海外生産をすぐに拡大しにくいと思うが、できるものから、またできる体制から海外生産へという流れになってくるだろう」という。また、住金物産の喜来孝介スクール衣料課長は「国内の縫製工場は高齢化が進んでおり、今後、生産キャパの面から考えても海外へ出て行かざる得ない。当面は加工貿易が中心だが、生地も海外生産できれば動きは加速するだろう」とみる。