メーカー別 繊維ニュース

特集 アパレル総合18秋冬~ネクストトレンド~(2)/レディース編

2018年06月22日(Fri曜日) 午後4時7分

〈進化した英国スタイル/ルック「スキャパ」〉

 ルックの「スキャパ」は18秋冬、テーラードスタイルと、あなたに似合う・フィットするという、二つの意味を持つ“スーツ・ユー”をテーマに、英国調のクラシカルなスタイルを進化させたセットアップ提案に力を注ぐ。

 ジャケットなどアウターは軽い素材や仕立てに置き換えてゆったり羽織れるようにし、カジュアルな着こなしにも対応。17秋冬商戦で前秋冬比2桁%増と好調だったニット、スカート、コートはラインアップを拡充した。

 ニットはアンサンブルやアウターなど型数を増やし、輸入糸使いやレース使いなど多彩に打ち出す。スカートは丈のバリエーションを増やすとともに、トップスと同じチェックやツイード、プリントなどをそろえ、上下のセット率を向上。コートはウール・非ウールともデザイン、丈、素材の幅を広げ充実させた。

 ベーシックなキャメル、グレージュ、グレーはもちろん、パープルや深みのある赤・グリーンといったアクセントカラーも同系色系のワントーンでコーディネートし、スーツ・ユーのセットイメージを高めている。

〈ウールムートンも提案/オンワード樫山「自由区」〉

 オンワード樫山の「自由区」は18秋冬、ブランド価値の見直しをテーマに、美しいシルエットとフォルムを訴求する。仕掛けるアイテムを明確にして奥行きをつける。構成比が高いニットでは意匠糸や柄物を投入。圧縮ジャージー(トップス、ボトムス向け)や、圧縮カシミヤのニット(プルオーバー、カーディガン向け)などを展開する。

 8月はレザージャケットを打ち出す。ラムのノーカラージャケットは柔らかくリラックス感があり、レザーの重さを排して大人の女性らしいフォルムを表現した。同月は端境期とあって客数減が予想されるため、高単価アイテムを投入する。

 10月はウールムートンを初めて投入する。フェイクムートンは合繊が多いが、天然素材であることを打ち出して差別化を図る。ノーカラーで女性らしさを主張しており、ジャケットで4万3千円、コートは6万3千円で展開する。

 特殊テープをキルトステッチの代わりに用いたステッチレスの新構造機能ダウン「ADS(アドバンスド・ダウン・システム)」も投入する。

〈「ファースト」さらに拡大/三陽商会「ポール・スチュアート」〉

 三陽商会の婦人服「ポール・スチュアート」は、フォーマルなビジネスシーンに向けたワードローブを継続し、その中に丸みを持たせたリラックスしたシルエットのコートやジャケット合わせのパンツスタイルなど、凛としたクールさを提案する。エグゼクティブ向けシリーズや防寒アウターも強化。関心の高いパターンオーダースーツは全店で展開する。

 エグゼクティブウーマン向けの「ファースト」シリーズはジャケットの素材、デザインをリニューアル。新機能として放電機能を持つテープを装着する。撥水(はっすい)加工も施す。バッグも新色が登場。次世代エグゼクティブ予備軍にはエントリー価格のジャケットを打ち出し、新規顧客を開拓する。

 防寒アウターは前年比40%増の生産計画。ダウンを中心にビジネスでの着用を意識してバリエーションを広げる。パターンオーダースーツ「メード トゥー メジャー」はゲージサンプルを期間限定でキャラバンしていたが、秋冬からは全店で開始。バスト、ウエスト、裾周りの横方向への補正も可能になった。

〈独自素材提案に注力/フランドル〉

 フランドルは新感覚合繊素材「カール・カール ケーエス」をブランド横断で打ち出すなど、独自素材提案にも力を注ぐ。売る商品と見せる商品を明確に分け、特にニットは量を増やして仕掛け、奥行きを付ける。

 今シーズンはブリティッシュやメンズライクな流れに、フェミニンなひねりを加えたスタイリングを提案する。婦人向けに薄く軽く仕上げた紳士スーツ風の素材、細かいヘリンボン、グレンチェック、千鳥格子などを展開する。

 素材では小松精練とI.S.T.が共同開発した軽くて膨らみのあるカール・カール ケーエスを疑似ウールとしてブランド横断、コートを中心に展開する。端境期の7~8月には新触感スエード素材「コマスエード」(小松精練)も打ち出す。

 獣毛ニットは、ラクーンの枚数を増やすことで価格を下げた。フォックスも前年比6割増にし、カシミヤニットも展開。ニットは昨年から何月にどんな素材を投入するか計画しており、安定したアイテムとなった。上質で値頃感のある商品を、奥行を持って販売する。

〈アルゼンチンの文化を/イトキン「シビラ」〉

 イトキンの「シビラ」は、「フォルミダブレ(すごい)」をシーズンテーマにした。移民大国といわれるアルゼンチン。文化が融合した同国のようなコレクションを提案する。今シーズンはセオリーにこだわらないカラーミックスを訴求する。

 8月は「ブエノスアイレスのラ・ボカ地区」の街並みのカラーミックスを、刺しゅうやアップリケ、インターシャなどで表現する。新しいデニムの提案として、和紙デニムのスカート、パンツなども展開。ウールコートも一部投入する。

 9月は「ブエノスアイレスの木々」をモチーフにしたプリントや刺しゅうを打ち出す。手刺しゅうのライダース風レザージャケットとプリーツスカートの組合せ、ジャージーのプリントワンピースなどを展開。10月はコートのほか、毛足の長い獣毛ニットも提案する。モンゴルのカシミヤ大手とコラボした「ゴヨ バイ シビラ」のキャラバンイベントも開始する。

 昨年から開始したワーキングウーマン向け企画は、デザイン性のあるジャケットスタイルを中心にする。

〈ブランド25周年企画を/レナウン「エンスウィート」〉

 レナウンの「エンスウィート」はフレンチカジュアルをベースに60年代のデザインを現代にアレンジする。ブランド25周年記念企画のほか、アウターのバリエーションを広げ、「シンダウン」も投入し、市場より3割ほど抑えた価格で新規顧客を開拓する。

 同ブランドは今年25周年を迎える。記念企画では新規、フリー、既存顧客と全方位に向けてアウタースタイルを提案する。9月はレザージャケットとトレンチ風コートを打ち出す。ともに価格を4万9千円に抑え、新規顧客が求めやすい設定にした。12月にはカシミヤコートを展開。プレミアム感のあるアウターをメインに、トレンドを意識したチェック柄やスカートでスタイルアップする。

 アウターのバリエーション強化ではシーズン初めに気温対策のアウターを投入、10月からシンダウンを訴求する。昨年はコートが好調だったが、新素材や新デザインを増やすことで好調を維持する考え。コスメ雑貨を加えた“E―エンスウィート”業態は美を顧客との接点にして展開する。

〈新しいエレガント提案/バロックジャパン「マウジー」〉

 バロックジャパンリミテッド「マウジー」のシーズンテーマは「オルタナティブ・エレガント」。50年代のハリウッド女優をイメージソースに、新しいエレガントを提案する。人気のチェックや花柄を訴求するほか、デニムでは古着のようでストレッチ性のある「MVSスキニー」なども投入する。

 シルエットは女性らしく、クラシカルなロングドレスなどを提案するが、定番デニムとミリタリーの組み合わせなども訴求。チェック柄のシャツドレスはボタンにパールを使用した。

 デニムでは、8月にリバーススキニーの新タイプをブラックカラー(1万3800円)で発売、9月にはMVSスキニーで、ビンテージでありながらストレッチ性を有する新商品(1万5800円)を投入する。リバーシブルのデニムジージャンも展開する。

 「マウジー スタジオウェア」は、「カンゴール」とコラボ。今秋冬は反転文字のプリントが特徴的だ。30~40代に向けたカプセルコレクションは落ち着いた印象で、1万円前後の価格帯で展開する。

〈「フレイ エア」立ち上げ/三陽商会「ラブレス」「ギルドプライム」〉

 三陽商会のセレクトショップ「ラブレス」「ギルドプライム」は18秋冬に新ブランド「フレイ エア」を立ち上げる。フレイ エアは、ラブレスの一部商品を生産していたハルズアミ(福岡市)との協業。ハルズアミがデザイン・生産し、ラブレスとギルドプライムの電子商取引(EC)と店舗で販売する。

 ハルズアミはデザイナーが人台にはさみとピンで形を作り、仮縫いしてパターンをおこす。着用時と同じ3次元状態でデザインするため、服のドレープが美しく出る。大人のラブレス、カジュアルのギルドプライムの中間を埋める新ブランドとして立ち上げる。価格はラブレスより約1割安い設定にして展開する。

 ギルドプライはSNSがファッションに与える影響を重視し、「インフルエンサークリエーションプロジェクト」として新たな新規顧客獲得を試みる。インフルエンサーの松本愛さん(インスタフォロワー数が10万人)、斎藤有紗さん、大社果林さんが、ワンピース、カットソー、デニムパンツ、パーカ、サロペットを商品化した。

〈19年10月消費増税の影響は/新チャネルへの模索加速〉

 18秋冬は価格戦略にも二極化が見られる。オンワード樫山の「五大陸」は秋冬に伊コロンボ社のカシミヤ100%の15万円のコートも提案した。「19年10月には消費増税が予定される。その前に高単価化を図る」という考えによる。19秋冬は消費増税の最初のシーズンとなり、高額商品の消費が伸び悩むとみられる。

 イトキンの「ジョルジュ・レッシュ」も消費増税を意識し、今秋冬に高額コートをラインアップする。リアルファーのストレッチダウン、3ウエーのフィールドコート、素材ドッキングのダウン、シャープなチェスターコートタイプのダウンなどを展開する。

 フランドルは売る商品と見せる商品を分け、売る商品は量を拡大してよりリーズナブルな価格で販売する戦略を明確にした。特にニットは量を増やして仕掛け、売り逃しも避ける。「来年には消費増税が控える。その前に値頃感のある商品体制を構築する」と取り組む。

 三陽商会の婦人服「マッキントッシュ ロンドン」は 軽衣料・ボトムスのプライスラインを見直し、平均小売価格3万円を2万7千円にすることで、フリー客の獲得を狙う。

 長期トレンドでは二極化の中でマスボリューム市場の拡大が予想される。前回の増税時には電子商取引(EC)商品も市場にまだ少なかった。

 今回はそうした面でも下方への価格圧力を増した状況にある。来年の消費増税を前に、価格戦略だけでなく、脱百貨店・新チャネルへの模索も加速化しそうだ。