メーカー別 繊維ニュース

特集 アパレル総合18秋冬~ネクストトレンド~(3)/メンズ編

2018年06月22日(Fri曜日) 午後4時9分

〈英国調スーツ強化/三陽商会「マッキントッシュ ロンドン」〉

 三陽商会の「マッキントッシュ ロンドン」は「オーセンティック ブリティッシュ」をテーマに、英国らしさを打ち出す。スーツを強化し、キャンペーンも開催する。

 好評の「ニュー ブリッジ」に加え、構築的なショルダーラインの新モデル「オックス ブリッジ」を全店投入し、オケージョンへのドレスアップ対応力をさらに高める。9万円の価格戦略商材も新たに加え、スーツは前年比約2・9倍、パターンオーダースーツは25%増で計画する。

 新たなビジネスウエアでは「フレックス―ジャージー」シリーズのほか、コンフォートセットアップ企画の商品を拡大。コートやアウターも増強していく。

 ブランドアイコンの「ダンディ マン」や「アンドリュー」、その進化系の「アンドリュー カモフラージュ」を用いた商品群をウエアから雑貨まで拡充する。英国製ゴム引きコートウェブ限定企画や、キルトジャケットなどシグネチャーアイテムで新規顧客を開拓。衣類価格を約10%引き下げ、代理購買や購買未経験者の需要も掘り起こす。

〈素材と着心地 訴求/レナウン「ダーバン」〉

 レナウンの「ダーバン」は、素材開発力、日本、着心地へのこだわりを訴求する。20周年を迎えたロロ・ピアーナ社のタスマニアン使いを3マークから6マークに広げて展開する。非スーツアイテムを中心にした新しいトータルスタイルも提案する。

 ダーバンが1998年から生地にタスマニアンを使用して20年となる。顧客からの支持も高く、秋冬はマーク数を広げて展開する。

 非スーツアイテムでは同じ糸で異なるアイテムを提案する企画も開始する。マフラーの織機で織ったマフラーとジャケット、ネクタイの織機で織ったネクタイとジャケットなど、オリジナルだからできる企画を投入する。

 「モバイルコレクション」は、出張時に役立つ商品企画で、18春夏から開始した。軽い、快適、機能性、エレガントをキーワードに、機能性と利便性のあるコレクションである。4月にはキッテ丸の内(東京都千代田区)にダーバン初の直営店(約160平方㍍)をオープンした。同店では婦人スーツのパーソナル・オーダーにも対応する。

〈テクノロジックがテーマ/オンワード樫山「五大陸」〉

 オンワード樫山の「五大陸」は「テクノロジック」をシーズンテーマに掲げる。合理主義・機能主義の1920~30年代のドイツをイメージし、「ハイテクとローテク」「モダンとクラシック」など相反するキーワードを融合させ、ラグジュアリーな品質やハイテク素材を駆使した新たなビンテージスタイルを提案する。

 フランスのドーメル社に英国工場で紡績、製織を別注した「エクセルUK」をスーツ地に使用する。色艶や発色性、ストレッチ性に優れる。軽さを追求し、毛芯も開発した。尾州・山栄毛織の綛(かせ)染めによる素材を使ったスーツはナチュラルストレッチを発揮する。

 コートではラグジュアリーに機能性を融合。伊デルフィーノ社の「モンテビアンコ」はフィルム加工により透湿防風、撥水(はっすい)機能を有するウールコート素材。ライナーには特殊構造のダウンシステム「ADS(アドバンスド・ダウン・システム)」を採用した。

 出張時に役立つコレクション「トランスファークロージング」では「ソロテックス」を使用し、スーツ、ジャケット、コートで展開する。

〈意外性盛り込む/ジョイックス「ランバン コレクション」〉

 ジョイックスコーポレーションの「ランバン コレクション」は「エクラ テ デカダンス(退廃のかけら)」をテーマにした。英国調をキーワードに、意外性のある解釈、組み合わせで提案する。

 初秋はテーラリングの伝統、英国柄とスポーツの要素をミックス。ニットに近い布帛は、断ち切りでもほつれがなく、コーディガン風の羽織り物として展開。同素材のパンツもある。婦人物と共通素材のシャツも打ち出す。

 秋はキルト、プロテクションの技巧ディテール、エスニック、ワークの要素をミックス。グレンチェックにさりげないラメ糸を使用した中わた入りリバーシブルブルゾンは、キルトの肘当て、切り換えやポケットにも特徴がある。

 冬はオーバーボリュームのシルエットをベースにした洗練されたカレッジスタイル。ミリタリー調のモッズコートは高密度ナイロン・ポリエステルの交織タフタでリバーシブル。裏面のチェックやフェイクファーで意外性をプラスする。ニットは熊をモチーフにした。大格子のダブルチェスターのコートも提案する。

〈伊・生地会社と連携深耕/ダイドーフォワード「ニューヨーカー」〉

 ダイドーフォワードは「ニューヨーカー」メンズの18秋冬の展開で、イタリアの高級生地メーカーであるチェルッティとの連携を強化する。スーツに加え、アウターなどにも広げるが、「18秋冬で使用するのは世界でもニューヨーカーだけ」(同社)というボンディングと組み合わせた生地使いの商品も投入する。

 両社による独自素材の開発は、17秋冬ではスーツでの活用にとどまっていたが、ユーザーの評価は高く、18秋冬ではアウターやジャケット、ブレザー、コートでも展開。コートやアウターなどでは新ボンディング素材「エアロシールド」を積極提案する。

 エアロシールドはチェルッティの生地に透湿防水性や防風性をはじめとする機能を付与した素材で、3層構造タイプのほか、2層構造タイプもラインアップしている。18秋冬シーズンではニューヨーカーメンズの独占展開となる。

 ブランドを象徴するアイテムであるブレザーでは、ネービーに染めた最上級のアラシャンキャメルを使用。滑らかな風合いなどが特長になる。

〈本物志向の大人へアピール/日登美「ヴァンプス」〉

 日登美は、メンズカジュアルブランド「ヴァンプス」の18秋冬企画で45~50代の「潜在的な欲求を持つ大人たち」を販売の主対象に置く。

 販売面では百貨店の強みである対面販売で、コンサルティングを強化する。「こだわりのある大人服」のコーディネート提案で「自分だけのスタイリスト」と感じさせる。

 商品は各地の産地の技術力に感性と時代性を付加して「本物のメード・イン・ジャパン」を訴えていく。

 同社の強みであるインナーアイテムを拡充する。

 注力商品群は、素材の特徴と意匠性を前面にした「アルティジャーノ(匠)」。人気のジャージージャケットは裏地と芯地の内装にこだわり、着用時に動きやすい仕様。セーターは「ホールガーメント」により縫い目がなく、自然な着心地。リバーシブルでも着られる。「スノー加工」は富山県の立山連峰の麓の染色工場の加工。水質によって高級感のある風合いと上品なフェード感を表現する。

 こうした生産背景も伝え、購買意欲を喚起していく。

〈カジュアルでトータル展開/ワキタ「スタンリーブラッカー」〉

 紳士服メーカーのワキタ(岐阜市)は、今秋冬物からターゲット別に主力ライセンスブランドのパターンオーダー(PO)スーツをスタートするほか、アダルト層向けに「スタンリーブラッカー」のカジュアルラインを本格展開する。

 POの展開ブランドはアダルト層を対象とした「レノマパリス」、ヤングアダルト層の「フィッチェ バイドンコニシ」、ヤング層の「abx」の3ブランド。こだわりを持つブランド志向の顧客に対して既製服からオーダーまでのフル展開により、ウオンツ需要に対応する。

 オーダー生地はインポート(イタリア製)を中心に70種類、モデルは全7型。伝統的なクラシックパターンの中にも大柄のチェックや個性的な色柄を加えた。

 ニューヨークトラッドのジャケットとしてアダルト層に著名な「スタンリーブラッカー」も顧客のカジュアル展開への要望に応えた。昨年の秋冬物からテストマーケティングを行って、好評なことからトップスからボトムまでトータル展開する。

 来春夏物では、東西の各百貨店1店舗に旗艦店も開設する予定だ。

〈アミコ/スーツ・ジャケット企画/ストレッチ拡充 スポーツ素材も展開〉

 紳士・婦人アパレルのアミコ(岐阜県各務原市)は、スーツ、ジャケットの18秋冬企画でストレッチ素材のバリエーションを拡充したほか来春夏物では新たにスポーツウエア向け素材をスーツで取り入れる。主力アイテムのフォーマルで培ったファッション性に加え、機能性と着心地の良さを追求したドレスアップウエアとして提案する。上着の縫製仕様は、肩パッドの入っていないテーラードジャケットタイプで展開する。

 ストレッチ性はニットファブリックに加え、合繊やウール素材の織物で糸の撚りや加工で2ウエーの伸縮性を持たせた。副資材もパンツのウエスト部分にストレッチのインサイドベルト芯を使用した。

 スポーツウエア素材は既存の「クールマックス」に加えて、レディースでコーヒーかすを再利用した「エスカフェ」をスーツで採用する。消臭効果や速乾性、コットンの5倍の紫外線防止効果を持つUVカット機能を持つのが特徴。メンズでは軽量、通気性など多機能が特徴のクーリング素材「ドットエア」をオン・オフ兼用のジャケットとして訴求する。

〈次世代のワーキングスタイル/フレックスジャパン〉

 フレックスジャパン(長野県千曲市)は18秋冬、「タイムレスコンフォート」をシーズンテーマに、次世代型のワーキングスタイルを提案する。まず襟型、色柄のバリエーションを増やした。端正な印象の中に適度な個性を演出できるブリットスタイル、ドレスシャツに遊び心を加えたプリント、着回しに便利なアートドビーなどをそろえる。

 ビジネスシーンを快適にする機能性の追求に積極的に取り込む。「ハイブリッドセンサー」はスポーツファブリックの技術を応用したポリエステル100%素材。吸水速乾性に優れ、夏向けに「節電シャツ」をうたっていたが、寒い季節の体臭を気にする人が増えていることから、秋冬での打ち出しを強化していく。

 アイロンゼロシャツ、摩擦に強い「コーデュラ」を採用したシャツ、上質感のあるインディゴなどもラインアップ。自転車通勤やスニーカー通勤などを意識し、多彩なシーンに応じた快適でおしゃれなスタイルを提示する。

〈百貨店へ新ブランド投入/山喜〉

 山喜は百貨店向けの新ブランド「CHOYAクラシックスタイル」を投入する。「形態安定は必要ないという声もある」(同社)とし、あえて綿100%のノーマル加工としたほか、スリムでありながら動きやすい立体パターンを採用するなど、随所にこだわる。価格も抑え、若い年代に訴求する。

 新ブランドはトレンドのスリムシルエットを取り入れながら、立体パターンで運動性能を両立させた。中国製と日本製の生地をタイで縫製することで価格を9千円に抑え、30代の需要(ターゲットの年齢層は30~50代)も積極的に取り込んでいきたいとする。

 経糸と緯糸ともに100番双糸による上質な素材感(綿100%)も大きな特長となる。襟型はワイド2型、タブやラウンド、ボタンダウンカラーもそろえる。色柄は白&サクスブルーの無地系とストライプを基本に、トレンド感を意識した色柄なども投入する。

 パターンオーダーの充実にも目を向ける。注文書をデジタル化するなど、「新しい仕組みを構築していく」(同社)と強調する。

〈中国との取り組み広がる/三政テキスタイル〉

 三政テキスタイルは、高級シャツ地を基盤商材とする。近年、国内物とともに、欧州や中国の素材も扱い、顧客の選択肢を拡大してきた。欧州はイタリアのアルビニ社商品など付加価値が高い素材を扱う。定番は在庫を抱えてリスクを持ち、顧客のきめ細かな要望に応じることで優位性を保っている。

 中国は、山東省の先染め織物メーカーである魯泰(ルータイ)紡織との取引が中心。新疆綿は品質に優れ、主力販路であるセレクトショップなどからの評価も高い。

 同社は既存顧客に新たな提案をすることで、ビジネスが伸びる余地はあるとみる。事実、新たに国内有力シャツメーカーとの取引も始まった。野村昌平社長は「日本が昔からやっていた問屋の進化形を目指していく」と述べ、コンバーターとしての役割を深めていく。

〈分かりやすい機能を提案/太陽繊維〉

 紳士ドレスシャツ生地商社の太陽繊維(大阪市中央区)は19春夏も引き続き機能に焦点を当てた展開を進める。校倉作り構造組織による「アゼック」や「クールマックス」などを軸に、通気性や吸水速乾といった“分かりやすい”機能を訴えることで、需要を取り込んでいく。

 アゼックは組織に独特の特徴を有しているため、他の素材との違いを訴えやすいというメリットを持つほか、海外オペレーションへの対応力といった利点を持っていることから継続提案に力を入れる。18春夏の展開も好評だった。

 クールマックスは涼感性に優れた素材。経糸に綿、緯糸にクールマックスを使用したタイプのほか、経糸にポリエステルを使った生地も用意しており、顧客の要望に応じて使い分けができる。

 素材に加えて、供給(生地提供)システムの機能についても強化する。長谷川達取締役営業部長は「生地を国内で備蓄するだけでは対応ができなくなっている。顧客の海外縫製により的確に対応するための基盤固めも行っていく」と話す。