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寝具/抗菌・制菌機能が主役に/天然素材由来など多様化

2018年07月10日(Tue曜日) 午前11時8分

 寝具で抗菌系機能が主役に躍り出ようとしている。天然素材由来や、抗菌・制菌よりも高い効果を持つ“除菌”など、素材のバリエーションが増えている。今後、寝具市場での露出が高まりそうだ。(長尾 昇)

 抗菌素材は既に寝具で幅広く使われている。特に“抗菌防臭”のキーワードはよく目にする。高層マンションや防犯の面から外干しができず部屋干しする際、部屋干し臭の原因となるモラクセラ菌の増殖を抑えたり、睡眠時に多く出る汗の臭いを抑えたりする点から採用されている。高齢者向け一般寝具でも、菌の増殖を抑制・減少させる制菌加工が採用されつつある。

 ただ「抗菌・制菌は効果が目に見えて実感できるわけではないのが弱点」(寝具製造卸)。そのため冷感や温感機能、風合いなどが第一訴求で、プラスアルファとして抗菌・制菌が採用されるケースが多かった。重要な機能だが、“主役”ではなく“脇役”となっているのが現状だ。

 その流れに変化が出てきている。主役として打ち出す動きが出てきた。先行するのは、昭和西川が展開する抗菌防臭加工「ポリジン」を採用した寝具。スウェーデンの薬剤メーカーのポリジン社が開発した技術で、銀イオンの働きでバクテリアや菌類の増殖を抑制し、臭いの発生を防ぐ。素材に加工されたポリジンは半永久的にその効果を発揮し、洗濯を繰り返しても抗菌防臭性を持続させる。加工による肌への安全性も日本や欧州で証明されている。

 「ムアツ」布団の“側”(中材を詰める前の半製品)、冷感寝具、タオル、ケット、カバーなど面で展開する。ポリジン関連の売上高は今年、ここまで前年比17%増で推移している。

 東洋紡STCの除菌繊維「アグリーザ」も注目を浴びている。ベッドメーカーが今秋をめどに発売する女性向け寝具に採用された。抗菌機能アクリル「銀世界」を応用したもので、抗菌性や制菌性を超える性能から“除菌”として2017年に打ち出した。銀イオンを担持したアクリル繊維で、黄色ブドウ球菌、MRSA、肺炎桿菌などをほぼゼロに減らす。10%の混率で効果を発揮できると訴求する。

 田村駒が提案する天然抗菌の「グリーンディフェンス」も露出が高まりそうだ。台湾の紡織企業が開発したもので、シナモンやアーモンドの天然抗菌性を利用する。重金属化合物や化学物質を含まないため、人体にも地球にも安全性が高い。

 ポリエステル、ナイロン、綿60%・ポリエステル40%混などをはじめ、ウレタンにも加工が可能。寝具寝装品、インテリア、インナーやソックス、アパレルの子供関連などを幅広く手掛ける予定だが、重点分野の寝具寝装品ではマットレスのウレタン中材を含めて提案する考え。

 業務用途では、工業洗濯への高い耐久性を持つシキボウの制菌加工「ノモス」も注目される。