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MUの日本勢/2日目も各ブースが盛況/環境対応生地などに人気

2018年07月13日(Fri曜日) 午後4時6分

 【ミラノ=桃井直人】「ミラノ・ウニカ(MU)19秋冬」の日本コーナー「ザ・ジャパン・オブザーバトリー」(The JOB)は、2日目の11日も午前中から客足が伸びた。商談件数は昨日よりも多いとした企業がほとんどで、中には「1日当たりでは過去最多」と話した企業もあった。環境に配慮した生地や表面に変化のある生地のピックアップが目立った。

 ブースに訪れたバイヤーの数は昨年と比べて圧倒的に増えたと言うのが伊藤忠商事繊維カンパニーのテキスタイル・資材課。「順調だった昨日よりも増加し、1日当たりではこれまでで最も多いのではないか」と話す。ただ、「数だけではなく、中身を重視したい」と強調する。

 サンウェルのブースにも午前中の早い段階からコンスタントにバイヤーが訪れた。「バイヤーの来訪は途切れなかった。結果的に初日よりも多くなり、商談も堅調に進めることができたと認識している」とし、「中でもオーガニックコットンを使った生地への注目度が高かった」と語る。

 瀧定名古屋は日本製を軸にウールからコットン、ポリエステル使いまで多様なカテゴリーの生地バリエーションを訴求。商談も活発で、「ニット製品やウール混の生地などで引き合いがあった」。サステイナビリティー(持続可能性)、環境関連への対応ではノンミュールジングのウールを増やしていく。

 宇仁繊維は今回、トレンドカラーを意識して打ち出した。ビッグメゾンを含めて、ブースに訪れるバイヤーも多かった。ピックアップは天然繊維を中心に先染めの楊柳やストライプの生地、カラミ織りにプリントを施したものなどが目立った。

 初日だけで約50件の商談を行ったというスタイレムは「ZEN(禅)」をテーマとし、日本製のアピールに重点を置いた。「新規顧客開拓も当然ながら、既存顧客との接点を増やすこともMU出展の目的」とし、「既存顧客の姿が多く、実のある話ができた」と手応えを示す。

 The JOBへの来場が順調だったのは出展した各社が魅力のある生地を披露したことが呼び水となった。さらに、「7月開催に移って2回目だが、会期がバイヤーの間にも浸透したのではないか」と分析する企業も見られた。

〈セーレン/素材価値が浸透の気配/凹凸の表現などに評価〉

 セーレンの付加価値素材が、欧州のファッション市場に浸透しそうだ。複雑な凹凸感を表現できる「プリモーディアル」などがトップメゾンから高い評価を得て、19春夏物で量産のオーダーが入った。同素材は「MU19秋冬」でも紹介し、「ビスコテックス」などとともに注目されている。

 同社にとって欧州のファッション衣料市場は開拓の余地を残す領域。本格参入を目指して2月の「MU19春夏」へ出展するとプリモーディアルなどで引き合いがあり、量産につながった。ビスコテックス・ファッション事業部ファッション第一販売部は今後の販売拡大に手応えを感じている。

 2回目となった今回では、デジタルプロダクションシステムのビスコテックスを軸に、狙ったところにボンディングして凹凸や光沢感を表現できる「レジスタック」などを並べた。ウール関連などサステイナビリティー(持続可能性)を意識した素材も打ち出した。

 それらの中で特にバイヤーが関心を示したのが、2月展と同様にプリモーディアルで、ピックアップも目立った。ダブルラッセルのコンピュータージャカードである同生地は、凹凸をはじめとする複雑で多様な表情を付与できるほか、ストレッチ性も持っている。要望が多かった綿混タイプを新作として披露した。

 ファッション第一販売部は高級メゾンでの採用拡大を目指したいとし、他社には再現できない、セーレンオリジナル技術による素材として勝負に挑む。「エージェントに頼ることなく、直接顧客の声を聞き、商品を開発・提案する。別注対応にも応じる」と話す。