メーカー別 繊維ニュース

特集 全国テキスタイル産地Ⅰ(4)/生地商社編/国産の価値を国内外へ

2018年07月30日(Mon曜日) 午後4時54分

〈サンウェル/しっかり取り組める先と/社長 今泉 治朗 氏〉

 当社のテキスタイルのほとんどは国産です。産地や染色加工場の数が少しずつ減っているのはつらいことです。小規模事業所が多い撚糸業や機業などで廃業が相次いでおり、じわじわと日本のモノ作りが危機にひんしていることを実感しています。当社としては、取り組める先としっかりと取り組むことで、この流れに待ったをかけたい。そう考えています。

 物が売れない時代を迎え、工と商の連携がますます重要になっていくと思います。アパレル不況が続く中、当社も備蓄の濃淡や商品企画など、あらゆる面で精度を上げていかなくてはなりません。独自性も鍵になります。こうした方向性に共感してくれる仕入れ先としっかりと取り組んでいきたいですね。

 日本のモノ作りは、感性の豊かさや正確性が強み。当社もこのアピールを国内外で続けていきますし、産地のブランディングや生地の国産表示なども一緒に推奨していきたいと考えています。

〈澤村/コスト問題も共に解決/社長 清水 民生 氏〉

 当社の国内でのモノ作りは北陸産地がベースです。2015年には福井市に北陸支店を開設し、産地との協業体制を強化しています。

 現在の同産地は、中国の環境規制の影響もあって全体的にスペースがタイトになっています。織物、丸編み、トリコットのいずれも発注が旺盛で、久しぶりに全アイテムが活況と聞いています。

 問題はコスト高。糸値、油、ガス、物流など全てのコストが上昇しています。さらに人手も足りない。仕事はあるのに人手不足によりさばき切れないという残念な状況にあります。

 当社もできるだけ産地からの値上げ要請を聞き入れています。もちろんその分、当社の生地値にも転嫁していきます。

 福井支店では当初はトリコットが先行していましたが、ここに来て丸編みも増えてきました。今後も付加価値開発という日本の強みを意識しつつ、産地品を国内外に売っていくというビジネスモデルを追求していきます。

〈双日ファッション/安定発注で共存へ/社長 由本 宏二 氏〉

 仕入れに対する姿勢は不変です。それは、できるだけ凹凸なく安定的に発注するということです。安定的に発注するためには販売力が必要。当社のような業態にとって、仕入れと販売は両輪であり、強く連動するものです。

 当社は国産に比重を置く生地商社。無地とプリントの染色整理のほぼ100%、先染めと合繊の約半分、ジャージーとウール生地の織り・編みと染色整理の100%が国産です。この比率もほぼ変化ありませんし、今後も国内産地や国内染工場との取り組みが当社事業の生命線であることも変わりません。

 安定的に発注するためには販売力(出口)を身に着ける必要があります。国内市場を基盤にしながらも目下、力を入れているのが輸出です。ここ2年ほどは年率20%増のペースで拡大しており、今後も仕入れ先への安定発注のためにも、輸出事業を拡大し、出口を広げます。

〈宇仁繊維/ジャカードPJで産地貢献/社長 宇仁 龍一 氏〉

 当社はこの4月から、「ゴーゴージャカードプロジェクト」という社内運動をスタートしました。北陸や播州産地で、当社の専有、あるいは当社が購入して機業に貸与するジャカード織機を大幅に増強しようというもので、この背景には、日本のモノ作りを支援していきたいという思いもあります。2年間で250台のジャカード織機を確保する計画です。

 産地企業は基本的に疲弊しています。設備更新も滞りがち。特にジャカードはトレンドの影響を大きく受けるアイテムで、ないときには全くないという状況に陥ります。これが、設備投資が進まない理由の一つです。

 当社のプロジェクトでは5年間の継続的な発注を約束します。その代わり、当社の仕事を優先してもらうという手法です。

 産地メーカーに安定稼働は最も重要な要素。このプロジェクトを通じて日本の技術力を維持発展させていきたいと考えています。

〈コッカ/共に新しいものを開発/社長 岡田 洋幸 氏〉

 プリント生地を主力とする当社ですが、その9割以上は国内染工場で作っています。

 その国内染工場が疲弊しています。昨年末に当社とも取引の多かった日出染業(和歌山市)が染色加工事業から完全撤退したように、徐々に国内染工場の数が減っています。抜本的には、加工料金を引き上げるしかありません。コストが上がれば価格も上げるのがごく自然なことです。その際は当社も生地値を引き上げます。当たり前のことですよね。

 ただ、価格の引き上げが簡単ではないのも事実。それをスムーズに進めるためには他社にはない強みが必要です。当社で言えば、切り売り向け生地の企画力や蓄積されたノウハウでしょうか。

 染工場に要望できることがあるとすれば、この部分です。商品開発は日本の生命線。各社が強みを発揮して常に新しいものを生み出してほしい。もちろんそこへの協力は惜しみません。