台湾4~6月GDP成長率/前年同期比3・29%/15年以来の同期最高、輸出がけん引

2018年08月13日(Mon曜日) 午後3時5分

 台湾行政院主計総処(統計局)が発表した2018年第2四半期(4~6月)の実質域内総生産(GDP、速報値)成長率は前年同期比3・29%だった。輸出と民間消費が好調で、5月時点の予測値(3・08%)を0・21ポイント上回る成長率を達成。同期として2015年以来の最高となったほか、4四半期連続で3%超えを維持した。

 経済成長を支える輸出は、世界経済の回復と新興テクノロジーの応用拡大によって、機械の需要が伸び、第2四半期は米ドルベースで11・22%増えた。主力の電子部品は8・29%増え、基本金属、機械、プラスチック製品、化学品、鉱産品もそれぞれ2桁%成長となった。

 物価の変動を除いた財貨・サービス輸出の実質成長率は5・99%で、5月の予測値(5・93%)を0・06ポイント上回った。

 主計総処の黄偉傑・専門委員は台湾メディアに対し、「同期の貿易収支は当初予測より370億台湾ドル(約1350億円)上積みされ、経済成長に貢献した」と説明した。うち輸出は予測より200億台湾ドル多く、輸入は170億台湾ドル少なかったという。

 民間消費の成長率は2・65%で、5月の予測値(2・64%)を0・01ポイント上回った。就業状況の改善に伴い、1~5月の平均賃金が前年同期比3・20%増えた上、台湾株式市場の活発な取引が消費を押し上げた。夏季の家電需要が旺盛だったことに加え、宝飾品・時計の販売好調や、サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会の開催で関連商品の売り上げが伸びたことを背景に、小売業の売上高は4・58%、飲食業は5・42%それぞれ増え、内需の成長を促した。

〈半導体投資は下半期に集中か〉

 一方、輸出、消費とともにGDP成長率を支える投資は低調だった。同期の総資本形成(政府、公営事業体、民間による固定資産投資と在庫変動を含む)の実質成長率はマイナス2・35%で、5月の予測値(0・89%)を3・24ポイント下回った。4四半期連続でマイナス成長となり、マイナス幅は前期比0・41ポイント拡大した。トラックの買い替え需要や航空各社の新機材調達、建設事業への投資が伸びた一方、半導体大手の資本的支出(設備投資や研究開発費に充てる費用の総称)が減少し、台湾ドル換算による資本設備の輸入は1・61%減って全体を押し下げた。

 ただ、黄専門委員は「半導体メーカーの近年の資本的支出の動向を見ると、四半期ごとに振り分けて投資するのではなく、ある時期に集中して投資を行う傾向にある」と説明。ファウンドリー(半導体の受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が台湾南部工業科学園区(南科)の台南科学園区に12インチウエハー工場(Fab18)を今年1月に着工しているほか、半導体封止・検査大手の日月光半導体製造(ASE)や京元電子(KYEC)も新工場を着工していることから、今後は設備需要が増えるとし、「下半期(7~12月)が投資ピークになる」との見方を示した。

 黄専門委員は今後の見通しについて、「下半期も当初の予測通り推移すれば、2018年通年の経済成長率は5月予測(2・60%)を上回り2・65%となる」と上方修正した。

 一方で、台湾の中央大学台湾経済発展研究センターの呉大任研究員は、「軍人・公務員・教師の年金制度改革案が7月1日から施行され、今後内需にマイナスの影響が出てくる可能性があるほか、米中貿易摩擦の影響拡大が台湾の輸出にも一定の打撃をもたらす」との懸念を示した。

〈18年成長率は2・50%前後に減速も〉

 民間シンクタンク、国際経済研究所の主席研究員で中国・台湾経済を専門とする伊藤信悟氏は、今後の見通しについて「18年通年の成長率は前年を下回り、2・50%前後に減速する」と予測。米中貿易摩擦による輸出環境の悪化懸念からの投資手控えや、中国の半導体や液晶パネルメーカーの立ち上がりによる供給過剰懸念が、台湾の輸出や投資に影響する可能性もあると指摘する。

 「11月24日に控えた台湾の統一地方選挙の結果が、消費者や企業のマインドに与える影響にも注視する必要がある」とし、現政権の民主進歩党(民進党)の政権基盤が揺らぐ事態となった場合、政策執行への不安が高まり、内需が弱含む恐れもあるとの見方を示した。

〔NNA〕