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ジーンズ別冊(4)/Progress/“枠”超えて魅力広がるデニム

2018年03月23日(Fri曜日) 午後3時14分

 ファイブポケットのベーシックなジーンズはややトレンドから外れ、売れ行きが良くないものの、素材としてのデニムは、これまでの“枠”を超え、さまざまな分野に広がりつつある。これからはもっとデニムに触れる機会が増えていきそうだ。

〈インテリアで人気急上昇/経年劣化が“味わい”出す〉

 ライフスタイルを中心にデニムが広がりを見せる。経年劣化してもデニムの場合、「それはそれで味わいがある」と、さまざまな用途で目にする機会が増えてきた。

 建材用床材を製造・販売する田島ルーフィング(東京都千代田区)は2月に、内装業者向けにカイハラ(広島県福山市)とコラボレーションした「デニムフロア」を発売。ジーンズのように経年変化という新しいコンセプトで誕生した。

 商品は塩化ビニルの樹脂にデニム生地を組み合わせた(特許出願中)置き敷きビニル床タイル。剥がれない、伸縮しない、温度変化で反らないのが特徴。耐久性を見るなど2年間の開発期間を要した。生地表面は薄くコーティングしてあり、防炎マークも取得する。

 若葉家具(広島県府中市)は、篠原テキスタイル(福山市)と、家具デザイナーの小泉誠氏とのコラボレーションで棚とソファを組み合わせた「間合ソファ」を作成。ソファの部分に、篠原テキスタイルのデニム生地を使った。このデニムは反応染めで、厳密に言えばデニム調だが、フェードデニムとユーズドデニムによる濃淡に、木目がマッチした、上質なコントラストが目を引く。

 すえ木工(岡山県津山市)と、「Bobson(ボブソン)」ブランドを展開するボブソンピーチフォート(岡山市)も、デニムを使った足置きや壁面収納などの家具を打ち出した。

 デニム雑貨もベティスミス(倉敷市)が「エコベティ」、山陽ハイクリーナー(岡山県浅口市)が「araiyan(アライヤン)」を打ち出すなど、少しずつ市場で広がりつつある。

〈ユニフォームはブーム続く/三備産地の機能活用も〉

 ユニフォーム分野では昨年に続き、デニムのトレンドが続く。ワークウエアではブラストなどによるユーズド加工を施したものや、今春夏ではブリーチで色落ちした夏らしい色合いを追求したワークウエアの新商品が目立った。

 そんなデニムトレンドの中で、三備産地の生産機能を活用しようとする動きも出てきた。藤和(福山市)は、17秋冬物から、ワークウエアが「1点1点味が出るようなものにすれば、面白いのでは」との発想から、ジーンズ洗い加工の美東(岡山県倉敷市)と連携し、「TSラボ・デニムプロジェクト」を始動した。

 主力ブランド「TS Design(TSデザイン)」のCOLOR LAB(カラーラボ)シリーズで展開するデニム使いのワークウエアを美東が加工。一つ一つに職人が手で加工を施すことから、「TAKUMI(匠)」という新たなラベルを作成。加工によって「ブラック」「シルバー」「ゴールド」の3ラインをラインアップする。

 18春夏も引き続き取り組みを継続。ブリーチでほぼ白くなったウエアや、ブラックデニムを絶妙に色落ちさせたウエアなどを第2弾として打ち出す。

 中国産業(倉敷市)も、17秋冬から投入する「HOP-SCOT(ホップスコット)」のデニムワークウエアを、児島の洗い加工場を活用し、加工を施した限定モデルを打ち出した。長袖ブルゾンなど6アイテムに、バイオフェードかバイオソーピングの異なる2種類の加工を施し、独特の風合いを持つウエアに仕上げた。

 中でもコートは「通常のカジュアルショップなら2万円ほどの価格帯でも通る」ほどの出来栄え。採用した販売店には店頭用ポップとしてオリジナルのTシャツとキャップを配布する。

 ワークウエアではボンマックス(東京都中央区)が16年から「Lee(リー)」を発売、アイトスが18秋冬から「Wrangler(ラングラー)」の発売を予定する。

 一方で学生服では関西高校(岡山市)がジャパンブルー(倉敷市)のジーンズブランド「桃太郎ジーンズ」のデニム制服を採用、今年の新入生から着用が始まる。また、明石スクールユニフォームカンパニー(同)が、「BIG JOHN(ビッグジョン)」ブランドの学生服を打ち出すなど、ジーンズブランドブームが続く。

〈ZOZO/ジーンズもオーダーメードの時代?〉

 スタートトゥデイは1月から、プライベートブランド「ZOZO(ゾゾ)」のTシャツ、デニムパンツの販売に乗り出した。

 採寸用ボディースーツ「ZOZOSUIT」で計測した体形データからオーダーメードで製造、サイトの「ZOZO TOWN」では「自分サイズ検索」を導入するとともに、ファッションを科学的に解明するプロジェクトチーム「スタートトゥデイ研究所」も発足した。

 ZOZOは顧客のあらゆる体形を考慮し、数千から数万種類のサイズパターンを作成し、生産プロセスのIT化や自動化を図ることで、高品質、短納期(即日~約2週間)のオーダーメード注文の生産ラインを確立した。

 今回初投入した商品は、クールネックTシャツ(1200円、4色)とスリムテーパードデニム(3800円、3色)。ジーンズは12.75オンスのストレッチデニムを使い、レングス、ウエスト、ボタンの大きさ、裾のステッチ幅、ポケットの大きさを調整し、ワンウオッシュもある。膝裏にはヒゲ加工を施す。いよいよジーンズはオーダーメードの時代になってくる?