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東洋紡/「ツヌーガ」の設備増強/来秋に年産1500トンへ

2018年08月27日(Mon曜日) 午後4時9分

 東洋紡は、高強力ポリエチレン繊維「ツヌーガ」の生産能力増強を決めた。耐切創手袋の需要が拡大を続けており、今後も成長が見込めると判断した。敦賀事業所(福井県敦賀市)の工場に設備を導入し、現状の1・5倍となる年産1500トン体制にする。2019年10月の稼働を目指す。

 ツヌーガは、同じ高強力ポリエチレン繊維の「イザナス」と比べると強度は劣るものの、耐切創性については同レベルを誇る。一方で価格は安く、自動車工場などで用いられる耐切創手袋(フィラメント使い)向けの展開が伸長している。現在の生産能力は年間千トンで、フル生産・フル販売を継続している。

 高強力ポリエチレン繊維の耐切創手袋への活用は、安価な中国品の流入によって裾野が広がり、市場が拡大した。同社機能材本部の黒木忠雄スーパー繊維事業総括部長は「ツヌーガは価格で中国品に対抗できるほか、糸の品質も高い。それらが顧客に評価されて採用が増えた」と話す。

 使いやすい価格帯の製品が市場に出たことに加え、企業の安全意識の高まりなどもあって耐切創手袋の需要は年率5%で伸びていると推測されている。ツヌーガは市場での知名度が上がり、販売も需要以上の伸び率を示す。生産能力は一気に1・5倍になるが、供給過多の心配はないという。

 イザナスも年産千トンの設備が順調に動く。中国品の流入で価格抑制要求が強くなっているが、糸の性能で勝負するとし、釣り糸向けの「SF」シリーズを商品化した。単糸繊度が7デシテックス、3デシテックス、1デシテックスの3種類を用意し、積極的に攻める。ロープ用途も堅調で、20年にかけて設備投資を判断する。

 同社のスーパー繊維の18年度4~6月売上高は前年同期比横ばいで推移し、年間でも前年並みを予想している。「ツヌーガの増強、イザナスの新製品(SFシリーズ)販売などが寄与する来年度以降に大きく期待」(黒木スーパー繊維事業総括部長)している。高強度・高難燃のPBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維「ザイロン」も用途開拓を強める。