メーカー別 繊維ニュース

検査機関/得意分野の深耕で新事業/認定・指定化、認証・監査も

2018年09月04日(Tue曜日) 午前11時29分

 繊維系検査機関は1940年代末に輸出取締法に基づく登録機関として、輸出振興支援を目的に設立された。その後も内需への転換、差別化素材の試験、生産の中国、さらに東南アジアシフトに合わせて海外拠点を設置してきた。検査・試験をコア事業に、衣料だけでなく生活用品、産業資材などにもテリトリーを拡大。得意分野を深耕して事業拡大するというビジネスモデルをさらに広げる。

(鈴木康弘)

 カケンテストセンターは東京五輪開催に向けて、国内唯一の国際陸上競技連盟(IAAF)認定試験機関となり、9月から陸上競技場に敷設された舗装材の試験を行う。試験項目は舗装材の外観確認、平坦性、厚さ、衝撃吸収、垂直変位、滑り抵抗、引っ張り特性、色、排水性など。

 カケンは国際ホッケー連盟と日本ホッケー協会の認定を受け、人工芝の試験を行ってきた実績がある。「繊維で培った技術が生きる」と、総合力で事業を拡大する。

 日本繊維製品品質技術センター(QTEC)の中部事業所は羽毛の組成表示や鳥種鑑別、混合率試験のほか、羽毛製品の臭気試験と清浄度試験にも対応する。IDFB(国際羽毛協会)、EDFA(欧州羽毛協会)、日本羽毛製品協同組合などの認定も取得してきた。

 IDFLとは業務提携し、羽毛トレーサビリティーシステム「ダウンパス」も展開する。グローバルな規模で羽毛の品質試験やトレーサビリティ―監査を行うことで、動物愛護や各国のコンプライアンスにのっとった高品質な羽毛供給を支援する。

 ニッセンケン品質評価センター(ニッセンケン)は高視認性安全服など防災関係の試験を行う。日本保安用品協会、日本防護服協議会、日本高視認性安全服研究所、日本交通安全教育普及協会、日本標識工業会、日本反射材普及協会、日本クリーナーズ防炎協会の指定検査機関でもある。

 この延長として横浜市内の保育園で高視認性安全服の教育講座も展開。日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会が主催する横浜市「子ども傷害予防教育事業」に協力して普及活動に取り組む。

 ボーケン品質評価機構(ボーケン)は、インテリア、化粧品、スポーツ、化学分析など幅広い分野で培った技術を生かす。国交省指定の性能評価機関として、建築材料から発散されるホルムアルデヒドの性能評価も行う。

 食品衛生法に基づく厚労省の指定検査機関でもあり、同法に基づく器具・容器包装試験や化粧品の成分分析、有害物質の評価も実施。製品安全協会のSGマークの認証試験も行う。新設の未来研究所は技術と情報を融合させて、ITを利用した新たなサービス業務を開発していく。

 少子高齢化で国内衣料市場の縮小が予想される。試験・検査のテリトリー拡大とともに、認定・指定試験機関化を図り、認証・監査といった業務にも事業枠を広げる。