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特集メンズウインター(1)/ 防寒衣料で差別化進む

2018年08月21日(Tue曜日) 午後4時4分

〈出張時企画の提案も増〉

 17秋冬は防寒コートが売れた。このため、アパレルは「ウールコートやダウンの生産を倍近く拡大」(三陽商会「エポカ ウォモ」)など18秋冬にも期待する。とはいえ、競争の激化も予想され、素材開発や縫製などの技術力を生かした差別化を進めている。

 オンワード樫山は18秋冬から「アドバンスド・ダウン・システム」(ADS)を本格ブランド化した。特許取得の新構造高機能ダウンで、特殊テープをキルトステッチ代わりに用いた。ステッチレスのため、衣服内部を空気が循環、空気量がアップするため薄くても高い保温性を有する。針穴がないため、ダウンが吹き出しにくく、縫い目が少ないからソフトでもある。デザインの自由度、ファッションの選択肢を広げた。

 三陽商会の「サンヨーコート」は人気の耐久撥水(はっすい)「レインウール」で8万円台のエントリー商品を2型投入する。17秋冬デビューの「レインダウン」も3型展開、京鴨ダウンと純国産を訴求する。「ザ・スコッチハウス」は「シンダウン」コートの数量を増やした。

 レナウンの「シンプルライフ」は異素材コンビや加工物など、一手間かけた職人的技法によるアプローチで差別化を図る。

 出張時などに便利な企画も充実してきた。三陽商会の「マッキントッシュ フィロソフィー」は出張時に人気の「トロッター」カテゴリーを拡大。「ポール・スチュアート」も出張先を想定した「スチュアーツ トラベラー」を強化する。

 レナウンの「ダーバン」は18春夏に開始した出張時に役立つモバイルコレクションを秋冬も継続する。オンワード樫山の「五大陸」も出張時に役立つ機能性のあるコレクションとして「トランスファークロージング」を提案する。移動が多いビジネスマンに向けたもので、18秋冬はアイテムを含めて強化する。

 新ビジネスではレナウンがシェアしない月額制・ビジネスウエアトータルサポートサービス「着ルダケ」を展開する。18春夏のスーツは8サイズ・3デザインだったが、秋冬から16サイズ・5デザインに拡大。生地も5種類から選べる。消費者心理の変化に対応する取り組みという。

〈機能性を訴求/オンワード樫山「五大陸」〉

 オンワード樫山の「五大陸」は18秋冬に「テクノロジック」をテーマに機能性を訴求する。合理主義・機能主義の1920~30年代のドイツをイメージし、「ハイテクとローテク」「モダンとクラシック」など相反するキーワードを融合させ、ラグジュアリーな品質やハイテク素材を駆使して提案する。

 スーツでは仏ドーメル社に英国工場での紡績、製織を別注した「エクセルUK」を使用する。色つやや発色性、ストレッチ性に優れる。軽さを追求し、毛芯も開発した。昔ながらの技術をテーマにした「レトロテック」では、尾州・山栄毛織のかせ染めによるスーツを提案。ナチュラルストレッチを発揮する。

 コートではラグジュアリーに機能性を融合。伊デルフィーノ社の「モンテビアンコ」はフィルム加工で透湿防風、撥水(はっすい)機能を持つウールコート素材。ライナーには「ADS(アドバンスド・ダウン・システム)」を採用した。出張時に役立つコレクション「トランスファークロージング」では「ソロテックス」を使用し、スーツ、ジャケット、コートで展開する。

〈「トロッター」拡大/三陽商会「マッキントッシュ フィロソフィー」〉

 三陽商会の「マッキントッシュ フィロソフィー」は出張時に人気の「トロッター」カテゴリーを拡大する。不足感のあったカジュアルアウターも拡充。

 梳毛ウールの繊細な表情をポリエステルで再現し、英国的な顔立ちと2ウエーストレッチがもたらす軽やかな着用感や快適な利便性を備えたシャープな表情の「トロッター エクストラソリッド」が昨年、大ヒットした。今シーズンは色柄バリエーションが増え、新アイテムとして、軽く、暖かく、都会的な雰囲気のキルティングジャケットを提案した。トロッターカテゴリーとして初となるパッカブルシリーズも展開する。

 カジュアルではボア×キルティングのリバーシブルベストや、分量感のある3ウエーミリタリーアウターなど、気温に応じて多彩なレイヤードが楽しめるアイテムをそろえた。シーズン後半には合繊ストレッチ素材や上品なウール梳毛素材のダウンブルゾン&コートを投入する。ハイゲージニットや長袖カットソーのバリエーションも増やし、初秋対応力をアップする。

〈「タスマニアン」20周年/レナウン「ダーバン」〉

 レナウンの「ダーバン」は、18秋冬のテーマを「ダーバニアン」とし、ダーバンが提供できる最大限の価値(素材開発力、日本、着心地)で、ファンを拡大する。

 今シーズンは20周年を迎えたロロ・ピアーナ社の「タスマニアン」使いを3マークから6マークに広げて展開する。顧客支持が高く、累計で18万着を超えている。

 非スーツアイテムを中心とした新しいトータルスタイルも提案する。同じ糸で異なるアイテムを提案する企画も開始。マフラーの織機で織ったマフラーとジャケット、ネクタイの織機で織ったネクタイとジャケットなど、オリジナルだからできる企画を展開する。

 18春夏から開始した出張時に役立つ「モバイルコレクション」も継続する。オリジナル開発素材で、「軽い、快適、機能、エレガント」をキーワードに利便性のあるコレクション。産地と取り組み、グレード感のある素材訴求と機能性のあるアイテムを提案する。4月にキッテ(東京都千代田区)2階にダーバン初の直営店(約160平方メートル)を出店し、新規顧客を開拓する。