蝶理インドネシア/日本向けの生地供給拡大へ/合弁染工場の生地強みに

2018年09月06日(Thu曜日) 午後4時7分

 【ジャカルタ=橋本学】蝶理インドネシアは、日本向けを中心とした生地の販売量を増やす。そのために合弁染色加工場、ウラセプリマ(西ジャワ州プルワカルタ)を活用した付加価値の高い生地の提案を強める。蝶理インドネシアの縫製品事業への生地供給以外に日系のワークウエア、食品・病院白衣用途でも売り込む。

 ウラセプリマは、染色加工のウラセ(福井県鯖江市)、現地繊維企業のダリアテックス、そして蝶理が出資する合弁染色加工場。フォーマルブラックなどの無地染めや風合い加工が可能。月100万メートルの加工能力に対して現在は月30万~40万メートルの規模での稼働にとどまる。

 田中裕司社長は「近い将来、まず月50万メートルを達成したい」と述べ「顧客へのアプローチはできており、これから半年ぐらいをかけて拡大が見込める」と話す。同社のレディースフォーマル縫製への生地供給に加え、日系の商社、SPA、小売業などをターゲットにパンツ、スカート、ワンピース、ブラウスなど幅広い用途で拡販する。

 生地のインドネシア内販、欧米、中国などへの第三国輸出は中長期的な視点で拡大させる。現在はドル高ルピア安が進み内販は逆境にあるため、まずは日本向けの供給拡大を優先する。海外SPAへの生地販売は納期対応などが課題。「日本でも欧米勢でも使いやすい生地をある程度用意しておいて、加工で違いを出すといった対応を検討している」(田中社長)と言う。

 ウラセプリマで染色加工した生地と蝶理インドネシアの縫製事業との連動性も高める。バンドンの協力縫製工場では日本向けの礼服、喪服といったレディースフォーマルウエアを生産する。生産力は7ラインで月産3千~3500ピースと2013年に縫製事業をスタートしてからこれまで順調に規模を拡大してきた。現在、このうち約半数でウラセプリマの生地を使用している。田中社長は「現地でコストを抑えた一貫生産体制を強みにさらに拡販に取り組む」と話す。

 蝶理インドネシアの繊維分野の18年1~9月期業績は前年同期比増収増益となる見通し。主力の生地販売は、インドネシアの底堅い経済成長を背景に供給量を増やしている。ウラセプリマによって現地での生地の高付加価値化が実現し、日系企業を中心に新たな取引先の開拓が進む。生地売上高の約2割を占める中東向けは市況低迷で苦戦が続く。