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変わる中国ユニフォーム市場/企業が人材確保などに活用/日系ユニフォームも活発な動き

2018年09月12日(水曜日) 午前11時1分

 中国のユニフォーム市場が変わりつつある。人材確保や他社との差別化のために一般企業がユニフォームを活用する動きが出てきた。こうした中、日系ユニフォームメーカーも活発な動きを見せている。(岩下 祐一)

 中国には、日本のようなユニフォーム文化は根付いておらず、製造業からサービス業までユニフォームは軽視され、ただのコストとして捉えられがちだった。

 ところがこの1、2年、それが変わりつつある。背景には都市部での人材確保難や、高度経済成長が終わってあらゆる産業で競争が激しくなっていることがありそうだ。自社の魅力アップや差別化のために、企業がユニフォームを活用する動きが生まれている。

 今年3月、物流宅配最大手の順豊が「ナイキ」のロゴ入りユニフォームを採用し、ネットメディアなどが大きく取り上げた。ユニフォームが中国の一般市民の間で、これほど話題になったのは初めてかもしれない。

 順豊は1993年創業で、大陸から香港、台湾までグレーターチャイナ全域で事業展開。黒と赤の「SF」のブランドロゴで広く知られている。値段は割高だが、サービス品質の高さで抜きん出ており、近年のネット通販市場の拡大を追い風に急成長、昨年深セン証券取引所に上場した。

 その業界最大手も、荷物数の急増で人材確保を課題としている。こうした中、企業の魅力を高めるため、ナイキのユニフォームを採用したと思われる。

 ユニフォームの生地には、ナイキ独自の撥水(はっすい)加工を施した「シールドコレクション」素材が使われ、通気性にも優れているという。会員制交流サイト(SNS)の「微信(ウィーチャット)」上で、ユニフォームの写真を着た宅配員の写真が出回り、「順豊小哥(お兄さん)カッコいい」などと話題になった。

 こうした市場の変化を捉え、日系ユニフォームメーカーも活発な動きを見せる。90年代からユニフォームの中国内販に取り組むサンエス(広島県福山市)は、欧米系大手製造業を昨年新規開拓するなど、業績を順調に拡大している。今年後半からは、物流企業の開拓に乗り出した。

 カーシーカシマ(栃木県佐野市)は、化粧品店や不動産仲介業などのサービス業向け別注品をこれまで手掛けてきたが、アリババ集団のネット通販サイト「淘宝網(タオバオ)」にこのほど出店し、在庫品の販売に着手した。

 モリリンと山東省青島市の国有企業の合弁会社、青島森華達職業服装は、バイオーダーで展開するワーキングユニフォームの地場や外資系企業への販売が好調に推移する。今年は白衣の内販に参入。省内の外資系クリニックや美容院、老人ホームなどに売り込んでいる。

 自重堂は7月、山東南山智尚科技との間で、ユニフォームの製造販売を行う合弁会社、南山自重堂防護科技を設立すると発表した。3年後に年間20億円程度の売り上げを計画する。