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メルテックス/トーブ既製品に素材供給/中東でのブランド力強みに

2018年09月12日(Wed曜日) 午前11時19分

 シキボウのインドネシア紡織加工会社、メルテックス(東ジャワ州モジョケルト)は中東の民族衣装、トーブの既製品へ素材の供給を始める。これまで中東向けはメルテックスの生機を日本で付加価値を付けて中東へ輸出するルートのみだったが、新たに既製品用途の生地をインドネシアから販売することで、不振が長引く中東民族衣装ビジネスをてこ入れする。(東ジャワ州モジョケルトで橋本 学)

 日系商社と組んで今年中にもメルテックス製の生地を第三国で縫製しサウジアラビアやドバイで売り出す。シキボウの日本加工のトーブ地は品質の高さから中東で長らく最高級クラスの位置付けにある。パッケージの「マーメイド」マークは高級ブランドの証しとして認知度が高く、このマークを既製品にも付けてブランド力を生かす。トーブ既製品市場の中でもワンランク上の商品として売り込む。

 トーブビジネスの多くは専門店での生地売りで、縫製は現地のテーラーなどが着用者に合わせて行うオーダーメードが一般的。

 一方、既製品はスーパーや一般衣料品店で売られ、日常の着用以外に観光客の土産としてや、宗教行事などで一時的な正装として間に合わせるものとして買われることもあり、オーダーメードのトーブと比べ低下価格帯で、用途も異なる市場とされる。

 メルテックスが作る生機のうち日本での高次加工を経て、中東で売られるものは約3割弱。現在の生地売りの規模を維持しながら、さらに既製品用途の生地を供給することで売り上げの積み増しを構想する。

 トーブ地の市況はここ数年、日本の素材メーカーや商社にとって厳しい環境が続いている。中東での在庫過多に加え、一部の国で付加価値税が導入されたことによる生地問屋の仕入れへの慎重姿勢が続いているほか、サウジアラビアでは現地人の雇用を促進する”サウダイゼーション”によって従来のビジネスに通じた人材が少なくなるといったことが市況を悪化させている。