この人に聞く/紡拓会 市場開発所 副所長 鄭 南昌 氏/活発なASEAN投資続く

2018年09月13日(木曜日) 午前11時53分

 ASEAN地域での台湾繊維企業の活発な投資が続いている。その一方、台湾からの繊維品輸出も回復の兆しを見せる。台湾の川上から川下までの繊維産業団体を統括する紡拓会の市場開発所副所長、鄭南昌氏に海外投資の現状や輸出動向などを聞いた。

(台北=岩下祐一)

  ――台湾企業がASEAN投資を加速しています。遠東新世紀をはじめとする大手が、今後3年で計300億台湾ドルを投資するとの報道もあります。

 ASEANでの2017年投資は、ベトナムが最大規模で、インドネシア、タイと続きます。投資分野は生地がメインで、縫製も一部あります。染色は環境規制の影響によりベトナムでの投資が難しくなっている一方、インドネシアでの投資が目立っています。

  ――紡拓会がまとめた今年1~6月の紡織品と衣類を合わせた台湾の繊維品輸出額は、前年同期に比べ2・0%増の50・88億ドルでした。

 世界経済の回復を背景に、台湾からの繊維品輸出も好転しつつあります。14、15年を底に、去年から回復傾向が鮮明になっています。

  ――ベトナム向けの紡績糸の伸びが引き続き目立ちますね。

 ベトナムでいまだに糸と生地の供給不足が続いていることを反映しています。

  ――一方、高純度テレフタル酸(PTA)や染料が現在高騰しています。

 PTAの高騰は、川中の台湾企業に打撃を与えています。半面、染料の値上がりは中国大陸が震源地ですが、台湾企業の多くは他国から染料を仕入れており、まだそれほど大きな問題になっていないようです。

  ――今年も10月16~18日に台北市でテキスタイル展示会「台北紡織展(TITAS)」を開きます。

 昨年に続き、今年も規模を拡大します。出展者数は昨年展に比べ73社多い456社で、うち65社が海外企業です。目玉は、初めて設けられる縫製設備専門区で、スマート化などを活用したサプライチェーン全体のグレードアップを提案します。