スポーツとファッションの融合―PVトレンドレビュー (後)

2018年09月27日(木曜日)

エコの打ち出しも含む

 「プルミエール・ヴィジョン(PV)・ファブリック19秋冬」の「スポーツ&テック」フォーラムでは、「滑らかな動き」という全体テーマが四つの方向で示された。

 「アウトドア・アドベンチャー」は、高性能な安全性と保護機能、コンパクトな軽さが求められ、これまでの登山や冒険の行動にトレイルランニング(中距離山岳レース)やクロスカントリーという新たな需要に応えるもの。資材で使用するような約1㌢の厚みのダブル組織の経編みのネットに樹脂加工した生地(福井経編興業)や、厚みのあるコート用、裏起毛やダウン用のパリパリとしたダウンプルーフの機能表示が付いているナイロン素材が象徴的。

 「アーバンとライフスタイル」は、キックスケーターや電動自転車など一人乗りでの移動手段の出現で、保護性能と多用途性に都会的なエスプリを加味した製品が求められる。光沢は有りと無しの両方でストレッチ性が加わる。ゴムのような伸び、3層や表面がエナメル加工のボンディング、ソリッドな作りでも張りがあるもの、ダブル組織で厚みがあり、ソフトでフワッとした仕上がりやナチュラルなシワ加工(スタイレム)、レトロ感やビンテージ感を表現したものがある。

 「アクティブ・スノー」は、テクノロジーとエレガンスが融合されたスキーウエア。ボリュームがあっても動きやすい、超高機能でありながら町でもモダンに着用できる。通気性や撥水(はっすい)加工の表示は当然で、4種類以上の機能表示が付いたものも多い。いずれもボンディングによるダブルフェース効果があり、裏の素材は経編み地のネットやナイロンの薄くコンパクトですっきりした丸編み地、または厚みがありナイロン素材の膨らみのある柔らかな手触りの丸編み地で、プリント加工もある。

 「アクティブウエア」(インドア・ウエルネス)は、健康志向の高まりを背景にヨガやピラティスなどの軽い運動に、見た目と着心地のよさが求められる。アウター用にはウインドプルーフや撥水性の表示。ボンディングは裏に迷彩プリント(小松精練)や、表に透明な加工などハリ感のあるものが多く、丸編み地(伊藤忠商事、瀧定名古屋)などの体に沿うものも多い。このテーマはサテンやシルバーなどの光沢がある。

 テーマとは別枠でここでも「スマートクリエーション」として、エコフレンドリーとリサイクルポリエステルの展示が加えられた。

 韓国のタイペイウン・テキスタイルはポリエステル100%もナイロン100%もリサイクルを使用。水についてもエコーフレンドリーウオーターの基準に沿っているという。

 台湾のシンコン・テキスタイルで一番評判が良かったのは光に反射する特殊な糸を織り込んだ生地。3Mという米国の会社の糸で、例えば夜ジョギングをしていてもこの生地のジャンバーを着用していれば光って危なくない。ポリエステルは日本からペットボトルを買ってリサイクルをしたものを使用。糸から製品まで一貫したシステムで管理している。

 イタリアのマリオ・クッケッティ・テッスーチは多くのエコ素材を使用した。ミルクファイバー(プロティン)、バンブー、ビオコットン、ビオリネン、リサイクルポリエステルなどだ。大きなパネルにはタイトルに「緑の中に入ってください!」と書いてあり、ISO9001、エコテックスマーク認定、GOTSオーガニックテキスタイル世界基準などが示された。

 ポルトガルのレマーは最先端のサステイナブル(持続可能)な糸を使用して生地を作る。ニューライフ繊維と言われるシークァーを使用。海底からプラスチックの破片を集めて作った糸だ。製品はシークァーから94%の水節約、60%のエネルギー削減、32%の二酸化炭素排出量低減効果も持つ。プラスチックがいかに海を汚染するかを示し、「一緒に海を奇麗にできる」と呼び掛けたコメントも付けた。

 スポーツ&テックフォーラムに出展した企業は、さまざまな形で持続可能なモノ作りに取り組んでいる。それはスマートクリエーションとの関連性も保有する。

(おわり、パリ通信員)