環境変化に対応する―「AFF・東京2018」から(前)

2018年10月01日(月曜日)

24年、賃金上昇、難問続く

 AFFと日中経済貿易センターが主催する繊維・アパレルOEM/ODM展示会「AFF・東京2018」が9月26~28日、サンシャインシティ文化会館とワールドインポートマートビル(東京都豊島区)で開催された。今回から「素材・副資材・ホームテキスタイル館」を新設、東京展として初のODM館も設けた。562小間のブースに過去最高の481の企業が出展。新規出展者が約4割を占め、日本市場への関心の高さをうかがわせた。

 日本の衣料デフレは、低コストを求め中国から東南アジア、さらに南西アジアへと生産拠点を移させてきた。しかし、アジアの生産環境は大きく変化してきている。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によるとベトナムの日系製造業の基本給を2012年と17年で比較すると、49%の上昇。カンボジアは2・3倍、ミャンマーも2・5倍となり、人件費の上昇は著しい。コストだけでなく、多品種・少量・短納期を求める日本市場には、“中国見直し”機運もある。しかし、高度産業化を目指すアジア諸国では繊維産業の労働力確保が難しくなる傾向も。特に中国では縫製工場の人手不足問題が既に深刻な域にある。

 このため、中国企業自身が東南アジア・南西アジアに生産の活路を求める。AFFではそうした企業が「東南アジア工場エリア」に集結した。

 ココファッションは低賃金を求め十数年前に中国からバングラデシュに生産拠点を移した。「合弁で始め、日本向けの1型3千枚の独資工場も開設。中国人が管理するので、中国と同等の品質で提供できる」ことを強みとしている。

 JOCインターナショナルは中国・南京が本社。「南京でも賃金が上昇し、厳しい状況。今後の発展を考え、3年前にミャンマーに進出した」。ミニマムロットは5千枚だが、日本向けの2、3千枚は南京工場で対応。とはいえ、「今年もミャンマーの賃金は上がっている」と、コスト問題が解決したわけではない。

 中国から東南アジアに進出した企業はほぼ、生地や副資材を中国から持ち込む。現地での生地調達が難しいからだ。そうした企業の頭を悩ませているのが「2024年問題」。カンボジア、ラオス、ミャンマー(CLM諸国)は後発開発途上国(LDC)として関税優遇措置などを享受しているが、ここに来て「LDC卒業」要件を満たしてきた。21年に再度要件を満たせば、24年に卒業組となる。生地の現地調達ができなければメリットは薄れる。

 鶴山集団はミャンマーで丸編み製品を中心とした縫製工場を開設。受注増から来年には第2工場を稼働させるが、「24年問題に向けてミャンマーに編み立て、染色工場を建設する一貫生産も検討」する。ミャンマーに進出した江蘇弘業股フンは「タイからの素材調達」、カンボジアに進出したジャンダガーメントはベトナムやタイからの生地オペレーションを模索。生き残るには環境変化に対応するしかない。