一本の糸が魅せる物語 北陸ヤーンフェア2018(上)

2018年10月04日(木曜日)

北陸産地への期待表れる

石川、福井両繊協が主催/44社へ出展者倍増

 「北陸ヤーンフェア2018」が10月17、18日、石川県産業展示館1号館(金沢市)で開かれる。石川県繊維協会と福井県繊維協会主催としては初開催。蝶理が実質的な主催を担った前々回展(2016年)の出展者は13社、前回展(17年)は22社。これに対して今回展は44社・団体が出展、当初目標の30社を大きく上回り、同展そして北陸産地への期待が高まっている。

 北陸ヤーンフェアは今回展から石川県、福井県の両繊維協会が主催を担い、繊維リソースいしかわがサポートする体制となった。両県からの支援も受ける。石川県繊維協会の大宮睦夫会長(ムツミテキスタイル会長)は、「日本の合繊織物生産量の約39%を石川県、約25%を福井県が占め、糸の大消費地でもある。その面で両県が連携して北陸ヤーンフェアを開催することは意義がある」と指摘。福井県繊維協会の藤原宏一会長(広撚社長)は、「学・官の出展もあり、産学官の交流の場にもなる。刺激を感じてもらい、産地活性化につなげたい」と意気込む。

 両県の繊維協会が主催することで「出展者に広がりが出た」「将来的には繊維フェアにまで育ってほしい」などの期待の声が、継続出展企業からも上がる。

 今回展からユニチカトレーディングが初出展したことで商事子会社を含めた日本の合繊メーカー全社が出そろい、他産地からの出展者も増えた。国内最大級の糸の展示会「ジャパン・ヤーン・フェア」の本場、愛知県からも共同出展組を含めて5社が初参加する。

 具体的には、モリリン(愛知県一宮市)▽豊島子会社でデザインシステムを手掛けるトヨシマビジネスシステム(名古屋市中区)▽糸道製造の最大手、湯浅糸道工業(名古屋市天白区)▽糸染めの茶久染色(愛知県一宮市)▽アパレルOEM、糸製造卸、スポーツ用品輸入卸のそぶえ産業(同)――が出展する。さらに、糸商の北洞(京都市)、河辺(奈良県大和高田市)など愛知県以外の府県からの新規出展も増え、綿紡績の富士紡ホールディングス、麻紡績のトスコ(東京都中央区)も初出展する。

 彼らに共通するのは、国内でのモノ作りは「国内有数の北陸産地を抜きに語れない。北陸にはまだ伸び代がある」と考えていること。同展への出展で、北陸産地の新規顧客開拓に結び付けたいと意気込む。

 盛況だった昨年の第2回展は来場者数も目標の千人をクリアしたが、それ以上に「実際に糸を使う現場の人々が訪れた」「滞在時間も長かった」との声が多く、ユニフォーム姿で多くの来場者が訪れ、出展者と熱心に話し込む姿を見ることができた。

 「実ビジネスにつながった」「出展することで新しいコラボレーションが生まれた」など、成果を得た出展企業も少なくない。

 新体制での初開催となる今回の北陸ヤーンフェア。テーマの「一本の糸が魅せる物語(ストーリー)」のように、出展各社、来場者双方が、新たな物語を紡ぐことが期待される。