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クラレ/ニッチトップで収益追求/メルトブローは増設検討

2018年10月04日(Thu曜日) 午後4時57分

 クラレの繊維カンパニーは、2019年度(1~12月)も引き続き、独自性のある素材・用途で収益性を追求した事業運営を進める。繊維カンパニー長の松山貞秋取締役専務執行役員は、「素材の潜在力をどのように引き出すかが重要になる。ボリュームを追求するのではなく、“ニッチトップ”を極めることで営業利益率10%以上を今後も維持する」と話す。

 松山カンパニー長によると、繊維カンパニーの18年度業績は原料高騰による下振れ要因はあるものの、値上げなど対応を進めたことでここまでほぼ計画通りに推移している。ビニロンは繊維強化コンクリート(FRC)用途が中国製ビニロンによる低価格攻勢を受けているものの今期はほぼ計画通りに推移しており、自動車関連用途は好調が続く。ポリアリレート系高強力繊維「ベクトラン」も利益率の高い用途で販売が拡大した。

 生活資材分野はメルトブロー不織布が他の乾式不織布との複合品でコスメ、メディカル、フィルター用途が拡大し、カウンタークロスも海外販売が増加した。面ファスナー「マジックテープ」も堅調となる。

 人工皮革「クラリーノ」はスポーツシューズ向けが勢いを欠くものの欧州の高級ハンドバッグ向けが拡大。自動車内装材への提案にも力を入れた。ランドセル用途も安定している。

 19年度に向けては「素材の力を引き出し、機能を付与することで収益性を追求する」ことが基本戦略となる。例えば不織布は複合品による高付加価値化を進める。メルトブロー不織布はフル生産が続いていることから、19年度以降に増設も検討する。

 ビニロンは新製造プロセス「VIP」の量産稼働が今年7月にスタートした。今後は新プロセスによる生産品の実販売に向けた提案を本格化させる。ベクトランはボトルネック解消による増産を実施し、新しいマーケットの創出を重点テーマに掲げる。

 クラリーノは成型加工品で自動車内装材用途の拡大に取り組む。有機溶剤を使用しない製造プロセス「CATS」を生かし、環境配慮のニーズに応えることも重視する。マジックテープもバックコート工程を廃止したタイプへの切り替えが完了したことで、世界的に要望が高まる環境配慮型素材としての打ち出しを強化する。