一本の糸が魅せる物語 北陸ヤーンフェア2018(下)

2018年10月09日(火曜日)

北陸産地企業は継続出展

 他産地も含めた新規出展が大幅に増えた「北陸ヤーンフェア2018」。もちろん、産地に拠点を置く糸商や糸加工メーカーも数多く出展する。しかも継続出展が多い。

 糸商の福富(金沢市)は、前回に引き続きカチオン可染糸合撚によるポリエステル100%のカラーネップ糸「PEP」に絞って訴求。同じく糸商で撚糸機なども保有するタロダ(石川県内灘町)は、備蓄販売するカラーブック帳「JTC」シリーズを打ち出す。

 糸加工メーカーの山甚撚糸(福井市)は、得意とするエア加工機を生かした複合加工糸技術を訴える。豊富な糸加工設備を持つシモムラ(石川県小松市)は、備蓄販売するポリエスル先染め糸「アモッサ」シリーズや天然ライク糸を中心に提案する。

 撚糸、カバリング糸製造のヒロタ工繊(同)は、蓄光糸や割繊糸、さらにモノフィラメントのカラーブック帳をサンプル出品。そして仮撚加工糸最大手の山越(石川県かほく市)は、新高速延伸仮撚り機により杢(もく)調表現が可能な「エンジュロンゆらぎ」などを紹介する。カバリング糸製造の川プロ(同)は前回、ラメ糸製造の泉工業(京都府城陽市)と共同ブースを構えたが、今回は単独ブースでの出展になる。

 彼らが継続出展するのは前回展で何らかの成果を得たからにほかならない。実ビジネスになったものもあれば、将来に向けた共同開発のスタートなど内容はさまざまだが、出展による満足感を得たからだろう。

 シモムラの西山恵太専務は「前回展でも好評を得た綿ライク糸のアモッサCLをメインに、各種製品も展示しながら顧客をさらに広げたい」とし、山甚撚糸の山田雅浩社長は「過去の出展で新規取引先の開拓に結び付いた」と語るとともに、「受託であっても自らの方向性を確認する上でも展示会への出展は重要」と強調。タロダの太郎田祐二社長も「今後の絵を描く上で、来場者の反応を探りたい」と話す。

 出展各社のさまざまな思いを秘めながら、17日午前10時には、石川県産業展示館1号館で、福井県、石川県の両繊維協会主催による北陸ヤーンフェア2018が開幕する。出展する44社・団体、そして来場者にとって、満足度の高い展示会になることを期待したい。

(おわり)