いざ19春夏へ 産地の10~12月を読む①

2018年10月09日(火曜日)

北陸 受注好調もコスト上昇不可避

 合繊長繊維織・編み物産地である北陸産地は引き続きスペースがタイトな状態が続く一方、各種コストの上昇により採算の悪化が懸念されている。ポリエステル長繊維をはじめとする合繊長繊維価格は国産糸、輸入糸とも上昇する。

 例えば東レは、ナイロン長繊維、ポリエステル長繊維とも9月出荷分からの1㌔当たり10円の値上げを8月に発表。ポリエステルでは、30円への値上げ幅拡大を改めて表明している。輸入糸では「この1年近くで6割近く上昇した」との声もあり、糸加工メーカーの採算は厳しさを増す。

 さらに深刻なのが染色加工場。中国での環境規制強化に伴い染料価格が上昇した。中でもポリエステルに使う分散染料のうち、耐光堅ろう度に優れたアントラキノン系は「1年間で2倍。この先、3倍近くになるといわれている」(染色加工場)。ユニフォーム地、スポーツウエア地、カーシート地など耐光堅ろう度が要求される分野は北陸産地の主力分野でもあるだけに、その影響は大きい。

 これに加えて、物流費や電力料金・燃料などの用役費の上昇もあり、福井県染色同業会は「染色加工料金是正の要請について」と題した文書を発表し、発注者に会員企業の要請に対して理解を求めた。

 北陸産地は高密度織物やユニフォーム地の受注がけん引する形で、受注は好調だが、コスト上昇は今後の大きな足かせになりそうだ。

 19春夏シーズン向けの出荷が本格化するものの、各種コストの上昇で厳しいかじ取りを強いられる可能性が高いテキスタイル産地の現況を追う。