一本の糸が魅せる物語 北陸ヤーンフェア2018(中)

2018年10月05日(金曜日)

新規出展者が約6割

 「北陸ヤーンフェア2018」は商事子会社も含めて日本の合繊メーカー全てが出そろったが、各社の打ち出しは個性あふれる。これは合繊メーカーがかつての横並びではなく、いかに選択と集中を行ってきたかを如実に表す。

 旭化成はスパンデックス「ロイカ」に絞り込んで出品し、各種機能糸を提案する。東レは天然繊維の特徴を合繊で表現し、機能性も併せ持つ糸を打ち出す予定。帝人フロンティアはポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」、クラレトレーディングは水溶性長繊維「ミントバール」、三菱ケミカルは防虫忌避機能を持つポリプロピレン長繊維「クリーンライフNeo」と個々の提案は全く異なる。

 東洋紡STCは改質レーヨン「リフレス」、改質綿「デオドラン」や「うるおいコット」、グループ企業の日本エクスラン工業はアクリレート系繊維をメインに打ち出す。KBセーレンは芯鞘型熱融着ポリエステル長繊維「ベルカップル」と高強力ポリアレリート繊維「ゼクシオン」、ユニチカトレーディングはケミカルリサイクル長繊維「ユニエコロ」を提案――と、日本の合繊メーカーが横並びではないことがよく分かる。

 もう一つの特徴は他産地からの出展増。出展者44社・団体等の内25社・団体。つまり出展の6割弱が新規で、しかも、石川、福井両県以外からの出展が多い。これは北陸産地に対する期待の表れと言ってよい。

 モリリンは芯部分のセルロース系繊維をポリエステル長繊維で被覆した交撚糸「セルアーマーハイブリッドヴィスコース」など独自開発糸、糸商の北洞(京都市)は0・05㍉のステンレス繊維。一村産業子会社で、2インチ紡の丸一繊維(新潟県糸魚川市)はグループ企業の創和テキスタイル(石川県羽咋市)と共同出展で、再生わた使い、PTT繊維などによるストレッチ糸、各種ナイロンわた使いの紡績糸を打ち出す。綿紡績では富士紡ホールディングスも初出展。低融点熱接着繊維「ジョイナー」など綿紡績糸以外の機能繊維を訴求する。

 今回展では梶製作所(石川県かほく市)、湯浅糸道工業(名古屋市天白区)、トヨシマビジネスシステム(名古屋市中区)、そして前回展にも出展した島精機製作所など機械・システム、部品メーカーの出展は前回展の2倍となる。

 その面で今回の北陸ヤーンフェアは非常に幅広い業種からさまざまな提案が行われる。