いざ19春夏へ 産地の10~12月を読む②

2018年10月10日(水曜日)

尾州 一部では19秋冬生産も

 尾州産地の10~12月は閑散期に当たるが、一部では既に19秋冬向けの生産に入っている機業もあるようだ。18秋冬向けで受注が集中し、納期遅れなどのトラブルが発生したため。ただ、ウール価格高騰の影響で早めの生産に入りたいが、なかなか踏み切れないという機業は多い。

 生産現場の高齢化や後継者不足による廃業で産地の規模は縮小。それに加え、18秋冬向けで受注が一気に集中したため、製織だけでなく、撚糸や染色整理などのあらゆる生産工程がタイトになった。ある機業は「今年は作り場がかなり混んだ。数カ月以上かかった物もある」と話すほどで、産地全体で納期遅れが生じた。

 これを背景に、「19秋冬向けのスタートは早まる」と言うのが産地内の共通認識。毛織物を得意とする尾州では10~12月は春夏向けの生産で閑散期となるが、ある機業は「納期遅れなどを回避するため、既に来年秋冬向けの紡毛織物の生産を始めている機業もあると聞く」と明かす。

 早めの生産に入りたいところだが二の足を踏む機業も多い。原因はウール高騰による糸値の上昇だ。18秋冬向けの生産で糸は底を尽き、今後はどうしても高値の糸を購入せざるを得ない。「早く生産に入りたいが、糸が高いから動きにくい」「糸値の上昇で作り込みができず、当面は様子見」と言う声もある。