メーカー別 繊維ニュース

オンワードHD/ECの成長加速を/新規プロジェクトも拡大

2018年10月10日(Wed曜日) 午後3時8分

 オンワードホールディングスは電子商取引(EC)の拡大、新規プロジェクトの積極展開、海外事業の抜本的改革を進める。ECは2019年2月期で275億円(前年比35・7%増)の売上計画。オンワード樫山も新規プロジェクトの展開などで下半期(18年9月~19年2月)は増収増益を見込む。海外は経営体制を刷新し、不採算店舗の撤退なども進める。

 保元道宣社長は「事業環境の変化が加速している」と指摘。内需が緩やかに縮小する中で、異業種参入、従来のシーズンごとに新商品を作り、売るビジネスが停滞する。「シェアリング、オンラインビジネスの高度化、インバウンドなど既存の事業領域外で新しい需要が生まれる」状況にある。

 このため、EC化比率は「将来的に3割」を目指す。11月からEC専用ブランド「フェテローブ」を開始するほか、他グループとの連携も進め、成長を加速する。

 新規プロジェクトでは新構造ダウン「ADS」の展開ブランドを拡大、帝人フロンティア(「ラフィナン」)との取り組みによる“着る”タイプの化粧品「トトン」も店舗・ECで販売する。リブランディングした「フィールドドリーム」も下期11店舗を展開する。

 オンワード樫山はMDの強化、生産の効率化・スピード化、在庫一元化による販売機会ロスの減少などに努める。「23区」「組曲」はショッピングセンターでの展開を数店舗進めたが、来期以降も結果を見ながら挑戦していく。

 海外事業はトップマネジメントの刷新と抜本的事業構造改革を進行。オンワードラグジュアリーグループは生産拠点の効率化とグループ内での活用を推進。ジョゼフは新クリエーティブディレクターを起用し19秋冬から刷新する。

 子会社のオンワード商事は新規受注を拡大、オンワードグローバルファッションは表参道新旗艦店オープンなどで、来期には黒字転換を見込む。

〈EC好調も減収減益〉

 オンワードホールディングスの2018年3~8月期連結決算は、売上高が1138億円(前年比1・3%減)、営業利益6億600万円(57・6%減)、経常利益13億円(37・6%減)、純利益14億円(34・8%減)と減収減益だった(短信既報)。内外の事業環境変化の加速や物流構造改革など経費先行によるもの。

 チャネル別売上高ではリアル店舗が3・7%減ながら、電子商取引(EC)は113億円と31・4%の大幅増収。8月にEC倉庫を習志野物流センターに統合し、EC/リアルの在庫一元化を実現した。今後も店舗在庫なども一元化していく。

 ブランドでは「23区」の不振が響いたが、「自由区」「ICB」「ポール・スミス」などが健闘。子会社ではオンワード商事、アイランドが苦戦も、クリエイティブヨーコが増益。海外事業はほぼ計画通り。

 通期見通しは売上高2436億円、営業利益54億円、経常利益55億円、純利益55億円に下方修正した。

〈「カシヤマ ザ・スマートテーラー」/今期5万3千着見込む/北米、中国でも事業展開〉

 オンワードパーソナルスタイルのオーダーメードスーツ「カシヤマ ザ・スマートテーラー」は期初予想を大幅に上回るペースで好調に推移する。2019年2月期には売上高36億円、5万3千着の販売を見込む。来年2月には中国の大連第2工場が操業を開始し、年間10万着の生産体制が整う。中国、北米での事業も開始する。

 オンワードグループが総力を挙げて展開するカシヤマ ザ・スマートテーラーは、マスカスタマイゼーションとして将来の柱事業の一つと位置付けられている。オンワードホールディングスの保元道宣社長は「計画以上に伸びている」とし、国内だけでなく、北米、中国でも事業を開始。「未来の基幹事業としたい」と期待する。

 来年2月には大連の第2工場が操業を開始し、生産能力は現在の2・5倍に拡大。第3工場以降の拡充も検討する。「コンペチタ―も出てきたが、今後も積極展開する」方針で、今期末までに直営店、完全予約のガイドショップを含め50拠点にタッチポイントを増やす。

 展開アイテムも8月にオーダーシャツと婦人スーツを開始したが、来年2月にはストレッチ性やイージーケアを兼ね備えたビジネスカジュアルライン(紳士・婦人)も加える。19年以降にはオーダーメードシューズ(婦人)、「ホールガーメント」ニットなども展開する。