メーカー別 繊維ニュース

特集 北陸ヤーンフェア2018(1)/一本の糸が魅せる物語

2018年10月10日(水曜日) 午後3時24分

〈石川・福井繊協が共催/出展者は約2倍に拡大〉

 「北陸ヤーンフェア2018」が17、18日、石川県産業展示館1号館(金沢市)で開催される。石川県繊維協会と福井県繊維協会の主催としては初開催になる。蝶理が実質的な主催を担った前々回展(2016年)の出展者は13社、前回展(17年)は22社だったが、今回展は前々回展の約3倍、前回展の2倍に当たる44社・団体が出展。当初目標である30社を大きく上回る規模で開催される。テーマは「一本の糸が魅せる物語(ストーリー)」。果たして、どんなストーリーを描くのか。期待が高まる。

〈好評の前回展引き継ぎ/17、18日に石川で開催〉

 蝶理が運営を担った第1回、第2回の北陸ヤーンフェアは盛況だった。蝶理の吉田裕志取締役執行役員繊維第一本部長は「来場者も多く、実際に糸を使う人が訪れた。滞在時間の長さも特徴的で、各所で親交も深まった」と振り返る。出展者からもおおむね好評で、糸加工メーカーのシモムラ(石川県小松市)は「実ビジネスにもつながった」と評価。同じく糸加工メーカーの山甚撚糸(福井市)も「出展することで新しいコラボレーションが生まれた」など各社が何らかの成果を得ている。

 その北陸ヤーンフェアが今回から石川県、福井県の両繊維協会が主催を担い、繊維リソースいしかわがサポートする体制となった。両県からの支援も受けた。

 石川県繊維協会の大宮睦夫会長(ムツミテキスタイル会長)は「日本の合繊織物生産量の約39%を石川県、約25%を福井県が占め、糸の大消費地でもある。その面で両県が連携して北陸ヤーンフェアを開催することは意義がある」と強調。福井県繊維協会の藤原宏一会長(広撚社長)は「産学官の交流の場にもなる。刺激を感じてもらい、産地活性化につなげたい」と話す。

 継続出展する企業からも両県の繊維協会が主催することについて、前向きに捉える。カバリング糸製造の川プロ(石川県かほく市)は「共催によって出展者に広がりが出た」とし、糸商の福富(金沢市)は将来的に「繊維フェアにまで育ってほしい」と期待する。

〈出展者増に加え、広がり/合繊出そろい、他府県も〉

 出展者数の増加だけでなく、広がりも見られる。

 今回展からユニチカトレーディングが初出展することで、商事子会社を含めた日本の合繊メーカー全社が出そろったのも特徴の一つ。合繊メーカーと北陸産地のつながりは強いが、「昨今は北陸産地を足しげく訪れる合繊メーカーの担当者が減った」との声も産地企業からは多いだけに、同展がその交流が増えるキッカケとなることも期待したい。

 他産地からの出展者も増えた。前回までは合繊メーカーを除くと、わずかだったが、今回展ではモリリン、豊島子会社でデザインシステムを手掛けるトヨシマビジネスシステム(名古屋市中区)、糸道製造の最大手、湯浅糸道工業(名古屋市天白区)、糸染めの茶久染色(愛知県一宮市)、アパレルOEM、糸製造卸、スポーツ用品輸入卸のそぶえ産業(同)など、国内最大級の糸の展示会「ジャパン・ヤーン・フェア」の本場である愛知県から5社が共同出展を含めて初参加する。

 糸商の北洞(京都市)、河辺(奈良県大和高田市)など愛知県以外の府県からも新規出展があり、綿紡績の富士紡ホールディングス、麻紡績のトスコ(東京都中央区)も初出展となる。

 モリリンは「国内でのモノ作りは尾州産地に加えて、北陸産地を抜きに語れない。実際にビジネスもあるが、展示会に出展することで新規顧客開拓に結び付けたい」と意気込む。トヨシマビジネスシステムは「国内有数の合繊産地である北陸での拡販のチャンス」と期待する。北洞も「北陸産地は伸び代がある。まずは知名度を高めたい」と話す。

〈両県連携事業コーナーも/17日には講演会を開催〉

 出展企業は次の通り(順不同)。東レ、東レインターナショナル、帝人フロンティア、旭化成、旭化成アドバンス、三菱ケミカル、東洋紡STC、KBセーレン、クラレトレーディング、ユニチカトレーディング、伊藤忠商事、極東貿易、モリリン、蝶理、富士紡ホールディングス、トヨシマビジネスシステム、新内外綿、北洞、トスコ、丸一繊維、創和テキスタイル、泉工業、カワボウテキスチャード、河辺、島精機製作所、湯浅糸道工業、カジナイロン、梶製作所、タロダ、ヒロタ工繊、川プロ、山越、福富、梅信、茶久染色、シモムラ、アシスト、山甚撚糸、織工房風美舎、そぶえ産業、福井県撚糸工業組合、石川県工業試験場、福井大学、福井県工業技術センター。

 小間数ではカジグループ(カジナイロンと梶製作所を合わせて4小間)が最大だが、帝人フロンティア、蝶理、島精機製作所、シモムラ・アシストが各2小間を構える。

 初の試みとして石川、福井両県の連携による新素材開発支援事業のコーナーが設けられるほか、堀照夫・福井大学産学官連携本部客員教授が17日(午後2時~3時15分)特設会場で、「繊維産業が変わる~変動期に対応すべきこと~」をテーマに特別講演も行う。

 なお、会場となる石川県産業展示館までシャトルバスの送迎(時刻表は図)も行う。金沢駅(金沢港口=旧西口)と会場を約30分で結ぶ。