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担当者に聞く ユニフォーム最前線(4)/東洋紡STC 繊維事業総括部 ユニフォーム事業部長兼ユニフォームグループマネジャー 林 英昌 氏/新素材や機能の開発に力

2018年10月18日(Thu曜日) 午後4時50分

  ――2018年度上半期(4~9月)のユニフォーム素材の商況はいかがですか。

 どの分野の素材供給も総じて堅調です。ワークウエアは東京五輪に向けた更新や建て替え需要の増加に合わせて需要が増えています。白衣は食品工場用が好調です。食品工場ではHACCPに基づいた製造管理が広まったことで、白衣の更新需要につながっています。

 サービス業向け制服は飲食業、接客業、旅客運送業などへの販売が順調です。オリンピックに向けて周年を迎える企業の更新の増加が底堅い需要を下支えしています。

  ――素材のトレンドについて。

 ワークウエアでは快適性の追求に加え格好よさにもこだわる素材が求められています。ポロシャツと作業着のパンツで仕事をするというスタイルのカジュアル化も見られます。

 ストレッチは定番の機能です。当社の素材は、しっかり伸びることを重視しています。夏は涼しく、冬は暖かいという衣服内環境の快適さを実現する機能素材の動きも活発です。昨年から急速に普及した電動ファン付きウエアは、毎年酷暑にさらされるユーザーがユニフォームへの機能を見直すきっかけを作りました。業界全体にいい影響をもたらしていると思います。

 ニット素材の採用が広がっていることも注目すべきトレンドです。シャツ素材はこれまで織物が主でしたが、シワになりにくさ、ほどよい伸縮性からニット素材を採用する企業が増えています。

  ――今後の戦略を。

 新たな生地開発を重視します。特にスポーツ・インナー素材を扱う部署との連携を強め、スポーツウエアの機能をユニフォームに応用するなどニーズにあった素材を開発します。機能の充実もテーマです。工業用洗濯50回にも耐えられる機能の開発に力を入れおり、消臭や抗ウイルス加工でも開発できました。

  ――ユニフォームでも環境配慮型素材に注目が集まっています。

 当社は1995年ごろから再生ポリエステル素材を展開しています。2000年の前半は環境配慮の観点から世の中に広がりました。再びこの流れが来ています。国連の掲げる「持続可能な開発目標」(SDGs)に貢献することを事業計画に取り込む企業も増えており、それだけ環境への意識が高まっている表れです。今を好機ととらえ改めてアピールを強めます。

  ――今後の課題は。

 中国の環境規制により染料が高騰しています。加えてポリエステル、原燃料費や運送費等諸経費も一気に上がっています。自助努力の域は超えてきており、価格改定も避けられない状況です。