紡拓会・黄偉基秘書長に聞く/台湾のASEAN投資活発/東京展を来年開催へ

2018年10月23日(Tue曜日) 午後2時44分

 台湾の繊維企業がASEAN地域での生産拠点の拡充を進めながら、メガスポーツブランドなどの欧米顧客との取り組みを拡大している。川上から川下の繊維産業団体を統括する紡拓会の黄偉基秘書長に、ASEAN投資の現状や、来年開く東京での展示会の目的などについて聞いた。

(台北=岩下祐一)

  ――16~18日に台北市内で「台北紡織展(TITAS)」を開きました。

 昨年展に比べ73社多い12カ国・地域の456社が出展し、各社がスマートテキスタイルや環境素材、機能性素材を披露しました。欧米のスポーツ、アウトドアブランドを中心に19カ国・地域の100強のバイヤーも参加し、盛況でした。

  ――今年も台湾繊維企業の活発なASEAN投資が続いています。

 ベトナムとカンボジア、インドネシアへの投資が目立っています。昨年の台湾からのベトナムへの直接投資は約5700万ドルでしたが、最近では香港やシンガポール、ケイマン諸島などに置く法人から投資するケースが多く、総投資額は直接投資額を大きく上回ります。

  ――中国の環境規制の影響が、日本の北陸産地にも及んでいます。台湾への影響は?

 織布工程の中国から台湾への生産シフトはありますが、規模は大きくありません。むしろ中国国内の織布工程が縮小する中、中国製の糸がベトナムなどに大量に安く流れ、台湾製が負の影響を被っています。

  ――米中貿易摩擦の影響は。

 台湾企業は、2008年から現在まで大陸の工場のASEANシフトを進めており、大陸工場は既に少ないことから、影響は軽微です。

 一方、中国大陸の地元企業への影響は、現状の税率ではそれほど大きくないとみています。しかし、今後摩擦がエスカレートし、米国がさらなる追加関税を課せば別の話です。欧米の大手ブランドや流通は既に、中国大陸以外の生産基地を探しています。

  ――ところで、「パンテキスタイルフェア東京」を来年開催することをこのほど決めましたね。

 われわれはこれまで、台湾企業の素材見本市「パンテキスタイルフェア大阪」を毎年秋に開いてきました。今年も10月31日と11月1日に大阪OMMビルで開きます。これに加え、来年は東京展を開催します。20年の「東京オリンピック」をきっかけに、日本のスポーツ市場が成長するとみており、その開拓を東京展で進めたいと考えています。