メーカー別 繊維ニュース

特集 シルバー・介護ウエア(2)/人手不足解消、ウエアに期待

2018年09月26日(Wed曜日) 午後4時30分

 人手不足に悩む介護現場では、ウエアを刷新して職員の採用につなげようという動きが出ている。メーカー各社は、スポーツブランドとの協業や、機能性の高い自社ブランドの開発に知恵を絞る。同時に介護施設の利用者に安心感を与える温かみのあるウエアも目立つ。各社の新商品を紹介する。

〈介護と医療の枠超える/ナガイレーベン〉

 ナガイレーベンは介護、ナースウエアの枠を超えた提案を進める。HCRに合わせて発刊する介護施設向けのカタログ「ナハル」では、今回初めて巻頭ページで病院向けの商品「ビーズベリー」を紹介する。

 国が、地域一体で医療と介護を切れ目なく提供する「地域包括ケアシステム」を推進する中、「ウエアでも一体感を打ち出すべき」(同社)という考えによる。

 製品では2016年に発表した「プロファンクション」に力を入れる。腕を上げた時に、肩や背中にストレスをかけない設計で、動きが激しい現場の負担を軽減する。脇やポケットにメッシュを使うことで、熱や湿気を効率的に外に出す機能も持つ。機能性の高さが現場に受け入れられ、好調に動いている。

【ブース】2―11―07

〈ニット使い現場に好評/フォーク〉

 フォーク(東京都千代田区)は、自社の「ジップスクラブ」に加え、米国発のワークウエアブランド「ディッキーズ」など多彩なスクラブを企画する。

 同社は業界に先駆けてスクラブを提案してきた。豊富なラインアップが強みで、特にジップスクラブは介護、医療現場に広く受け入れられている。介護施設では、脇から腰部分にかけてニットを使ったタイプが多く、抱き起こしたり、かがむ動作が多い介護現場の動きに合っているという。ジップスクラブのブランド化も進める。今年からロゴを作製し、ウエアの織ネーム、製品の袋に付けて認知度を高めている。

 ディッキーズは、男性だけではなく女性にも人気が高い商品に成長している。新たにピンクも投入し、女性ファンを増やす。ブース【2―11―09】

〈家庭的な温かみ大事に/アプロンワールド〉

 アプロンワールド(東京都千代田区)は、自社のオリジナルと「アディダス」の介護ウエアそれぞれで新商品を打ち出す。

 オリジナルでは、家庭的な温かみとカジュアルさを兼ね備えた商品を増やす。特にダンガリーやギンガムチェック、ボーダー、水玉といった柄物を取り入れた。「入所者の方に緊張感を与えず、優しい雰囲気を出せる」ウエアがそろう。

 アディダスでは、訪問介護用にリュックタイプのバッグを取り入れるなど、去年よりも幅広い介護現場に対応する。

 日本の労働人口が減る中、外国人労働者の受け入れ拡大に向け、政府は2019年に新しい在留資格を設ける考え。同社は「サイズ展開も含め、これまで以上にブランドマーケティングに力を入れる」と話している。

【ブース】2―09―10

〈豊富なポロシャツ提案/ボンマックス〉

 ボンマックス(東京都中央区)は、介護ウエア「ナチュラルスマイル」で、ポロシャツ、裾の長さの調整が簡単にできるチノパンを中心に展開する。今季、新商品は見送るが「市場動向を見ながら、自社で扱うブランドとの連携など柔軟に商品開発に取り組む」と言う。

 バリエーションに富むポロシャツの中で特に好評なのが、袖口と裾にラインを入れたリブポロシャツ。通気性が良いハニカムメッシュを使い、カラーも8種類と豊富にそろえる。

 外出や訪問介護の時に羽織ることができるソフトジャケットも好評で、ネービーとチャコールグレーの2色をそろえる。シワになりにくい素材を使い、男女ともに展開する。今後も人材不足に悩む介護業界に向けて、求人効果が高いウエアを提案する。

〈北欧のデザイナーと協業/カーシーカシマ〉

 カーシーカシマ(栃木県佐野市)は、介護ウエアカタログ「ハートグリーン」で、北欧のデザイナーと協業した新作を発表した。社会福祉に手厚く、日常に美しいデザインを取り入れる北欧の生活を、働く人や利用者に感じてもらいたいという狙いがある。

 食事の配膳などの時に使うエプロンの生地の柄は、北欧の複数のデザイナーで作る「スカンジナビアパターンコレクション」を採用した。自然や街並みからインスピレーションを得たデザインを取り入れている。

 ダンガリーシャツは、フィヨルドをイメージした青とグレーの2色で、ミディアムとロングの2タイプを用意する。このほか、訪問介護や外出の時に羽織れるニット風ジャケット、プルオーバー、テーパードパンツなども展開する。

〈多様化するニーズへ対応/明石スクールユニフォームカンパニー〉

 明石スクールユニフォームカンパニー(岡山県倉敷市)は「ルコックスポルティフ」が売り上げを順調に伸ばしている。厚生労働省が推進する地域包括ケアシステムの政策に伴い、介護・看護の垣根が取り払われつつある中で、ケア・ナースを展開しているルコックならではの総合提案力が生かせそうだ。

 HCRでは青白赤のトリコロールを基調に、ブランドロゴをイメージさせる三角を強調した展示を行い、ルコックの認知度を高め、人不足感のある業界に役立つユニフォーム作りを訴える。

 主力商品の展示はもちろんのこと、新商品であるシャツ、ジャージー上下をHCRで初めて発表する。今回は千鳥柄のパンツを投入することでコーディネートの幅を広げるとともにスポーティー、カジュアルなど多様化するニーズに対応できる商品をそろえる。

【ブース】2―10―9

〈より幅広い選択肢を提供/シーユーピー〉

 シーユーピー(岡山市)は、介護向けユニフォーム「プロフィーリング」の新カタログVol.24に掲載した新商品を中心に市場開拓を進める。「施設ごとの独自性を出したい」「施設イメージにマッチしたユニフォームを着用したい」というニーズが高まる中、現行の「アイナ」「スマイリー」「チアフル」シリーズそれぞれで、より幅広い選択肢を提供するため、従来の商品とは異なるカラーイメージを訴求する。

 他メーカーの参入もあり、ここ数年苦戦していたが、高級感・上質感を感じさせるアイナシリーズが販売好調で盛り返してきている。

 同じユニフォームを長く着用するというよりも、短いスパンでモデルチェンジを行う施設が増えていることから常に新しい商品、新しい提案で需要を開拓する。

【ブース】2―12―11

〈「ヨネックス」打ち出す/トンボ〉

 トンボ(岡山市)は、学販スポーツで既に実績のある「ヨネックス」を介護&看護ウエア「メディケアシリーズ」として打ち出す。ヨネックスは国内ブランドであり、日本市場でのニーズに対して臨機応変に対応できる強みと継続性があることから投入を決めた。

 ベースの「キラク」と、ワンランク上のおもてなしウエアとして売れ筋になりつつある「リュクス」、遊び心を加えたカジュアルな雰囲気のイメージがある「栗原はるみ」に、ヨネックスもそろえ「ターゲットを明確にする」ことで市場開拓を進めやすくする。

 ここ数年で開発してきた新商材が現場に浸透し始めてきており、ニーズへの対応力が高まってきた。従来の商材に加えて、現場のニーズをより具現化した商品開発を推進。さらにリハビリ施設や検診施設、老健への直接ヒアリング強化によるニーズ掘り起こし、大都市圏、大手法人への販路拡大に取り組む。

【ブース】1―07―03

〈ブランドが市場に浸透/住商モンブラン〉

 住商モンブラン(大阪市中央区)は新商品として、腰部保護ベルトとパンツが一体化した腰痛予防商品の「腰ケアパンツ」や、「アシックス」ブランドのシューズ・ウエア、「ローラアシュレイ」ブランドの患者衣・マタニティー・介護バッグ、小松精練の天然成分配合ファブリック「オニベジ」のシャツ・エプロン・スクラブなど打ち出す。

 介護市場の広がりとともに、同社のケアユニフォーム需要も高まってきている。特に市場に浸透しつつあるローラアシュレイ、アシックス、コシノジュンコ、「ミニオン」を中心としたブランド商品の販売展開を強化。ローラアシュレイの新商品の患者衣・マタニティー・介護バッグで女性層の支持獲得を目指す。さらに環境配慮型のオニベジシリーズを介護の現場に向けて積極的に提案する。

【ブース】2―09―03

〈介護現場の声から開発/セロリー〉

 セロリー(岡山市)は、介護向けユニフォーム「アイフォリー」で、“セロリーらしさ”を出した機能やデザイン性を追求した商品開発を強めている。介護現場の声から生み出した新タイプの「ケアカーデガン」や、シンプルモダンな直線的デザインで安心感のある長めの着丈のチュニックなどの新商品を投入し、市場開拓を加速する。

 HCRではケアカーデガンや、チュニックに加え、清潔加工「ティオティオ」のポロシャツ、シルエット・はき心地もスッキリで動きやすさ抜群なパンツ「動パン」「優パン」、機能満載でたっぷり収納できる「コアルーバック」などを展示する。

 施設の規模縮小や多様化が進む中で、それぞれのユーザーに対応できる汎用性が求められていることから、トレンドに沿った商品開発を強める。

【ブース】2―11―08