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三陽商会/プレミアムブランド化を/デジタル活用で変革推進

2018年11月01日(Thu曜日) 午後2時51分

 三陽商会は2018年12月期連結決算で黒字化を目指していたが、減収などの要因で、売上高605億円、営業損失16億円を見込む。このため、新たにプレミアムブランド化、デジタルトランスフォーメーション(デジタルソリューションによる変革)、M&A(企業の合併・買収)・資本業務提携を重点戦略として掲げ、20年までに100億円超の投資を行う。19年度は売上高620億円、営業利益5億円を計画する。

 岩田功社長は目指すべき姿を「ジャパン・プレミアム・ファッションカンパニー」とする。日本のクラフトマンシップに基づく圧倒的なモノ作りを実現し、高品質・高付加価値商品を買いやすい価格で提供する企業――と言う。「ラグジュアリーとアフォーダブル(手頃な)の中間に位置するのがプレミアム」と語る。

 これを実現するため、ブランディングとマーケティングを強化し、プレミアムブランド化を図る。オリジナルブランド強化、直営事業強化、サステイナビリティー(持続可能性)を意識した事業運営を行う。宣伝販促費は売上高の5%以上にする。サステイナビリティーでは19秋冬以降はリアルファーの使用を禁止する。

 オリジナルブランドでは特に「エポカ」を強化。手頃な価格にするため、電子商取引(EC)や直営店舗販売で中間マージンを省き、原価低減なども図る。

 バリューチェーンの全領域(企画/MD、生産/仕入れ、物流/倉庫、EC、CRM〈顧客関係管理〉/マーケティング、店頭/販売)で、デジタルトランスフォーメーションを推進する。特にパーソナライズ、シームレス、カスタマイズ、人工知能(AI)活用に注力。デジタル推進プロジェクトなどが中心になって推進し、店頭/販売やECが先行している。AI活用のABEJA社との業務提携もその一環。

 M&A・資本業務提携はプレミアムブランド化とデジタルに絞る。投資先は国内外のクリエーティブ、オリジナル性で高い評価のあるブランドやエシカルを打ち出すブランドなど。デジタルでは既存のECとは異なるビジネスモデルを打ち出す企業、イノベーションを加速する能力のある企業などを対象にする。

〈赤字幅は縮小〉

 三陽商会の2018年1~9月期連結決算は減収ながら損益は改善した。売上高413億円(前年同期比6・5%減)、営業損失22億円(28億円の損失)、経常損失22億円(29億円損失)、純利益15億円(14億円損失)だった(短信既報)。

 EC売上高は約40億円と6%の伸びを見せたが、夏の猛暑や9月の天候要因で減収となった。粗利益の改善、販管費の削減が進んだほか、三陽商会青山ビルの売却などで純利益15億円を確保した。