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一本の糸が魅せる物語 北陸ヤーンフェア2018レビュー(9)/愛知・岐阜の新規出展増

2018年11月08日(Thu曜日) 午前11時27分

 「北陸ヤーンフェア2018」の出展者で合繊メーカーなどの大企業、石川、福井の産地企業以外で最も多かったのは、糸展の代名詞「ジャパン・ヤーン・フェア」のお膝元、愛知県・岐阜県の企業だった。しかも、繊維商社のモリリン(愛知県一宮市)、糸加工のカワボウテキスチャード(岐阜県羽島市)、糸染めの茶久染色(愛知県一宮市)、アパレルODMなどのそぶえ産業(同)、ソフトウエア開発のトヨシマビジネスシステム(名古屋市中区)、糸道製造の湯浅糸道工業(名古屋市天白区)と多種多彩。カワボウテキスチャードを除けば初出展でもあり、未開ではないものの、北陸とのさらなるビジネス拡大を狙った。

 モリリンは、全体の約10%にとどまる北陸産地への糸売り強化を狙って長短複合糸などの差別化糸をメインに出品した。セルロース繊維とポリエステル長繊維の交撚糸「セルアーマーハイブリッドヴィスコース」などが好評。「地場に加えアパレルなど川下企業も関心を示した」と言う。北陸への糸売り強化の一方で「北陸と尾州の懸け橋になるのも役割」と語る。

 合繊長繊維の糸加工メーカー、カワボウテキスチャードはさまざまな天然繊維代替糸を「超天然」シリーズとして展開するが、今回はウールライク糸に「尾糸(BEAT)」のブランドを付け「尾州発信として訴求した。関心も高く、サンプル依頼も数多くあった」(原料部の石原孝治係長)と言う。

 茶久染色、そぶえ産業は糸加工メーカーの梅信(石川県内灘町)と3社で共同ブースを構えた。茶久染色は長・短繊維の糸染めや機能加工などを得意とし、そぶえ産業は製品ODMやスポーツメーカーの代理店、さらに防縮ウールによるアウトドア素材の開発も手掛ける。梅信は耐切創手袋用高強力ポリエチレン繊維のカバリング糸を主力に、「ホールガーメント」(WG)に適した糸開発にも取り組む。

 今回展で3者が提案したのは防縮メリノウールを鞘に、ポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」を芯に配したカバリング糸でのWG製品や鞘にリサイクル「スーピマ」綿を使ったWG製品。さらにウールとアクリレート繊維「エクス」、ソロテックスの組み合わせも出品した。糸作りは梅信、糸染めは茶久染色、製品はそぶえ産業という北陸・尾州コラボでもある。