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アパレル/新ビジネスにチャレンジ/サステイナブルも志向/カスタマイズは進化系で

2018年11月12日(Mon曜日) 午後3時44分

 少子高齢化で国内市場が縮小し、既存店舗販売が苦戦という構図が続く。このため、アパレル各社は電子商取引(EC)を強化するが、既存事業とは別の観点の新ビジネス構築も進んでいる。「デジタル化」「カスタマイズ」「サステイナビリティー(持続可能性)」といったキーワードが新ビジネスに絡んでくる。

(鈴木康弘)

 紳士服市場では既製スーツ伸び悩みの中で、パターンオーダーが好調だ。このため、各社はパターンオーダーを増やし、消費者のカスタマイズ志向に対応する。オンワードグループのオンワードパーソナルスタイルが昨年10月から展開する「カシヤマ ザ・スマートテーラー」は、カスタマイズをさらに進化させた「マスカスタマイゼーション」(オーダーメードながら大量生産レベルの価格で提供)。

 これは独自のイノベーションとテクノロジーで、高品質スーツを最短1週間で消費者に納品する。2着目以降はオンライン購入も可能という新しいビジネスモデルと言える。

 スタート以来、「計画の倍以上のペースで推移」しており、中国・大連の自社工場は来春、第2工場の竣工(しゅんこう)を予定する。実店舗と予約のガイドショップを合わせ、今年度中に約50店舗に拡大し、海外展開も視野に入れる。3万、4万、5万円のスーツに加え、イタリア生地を使った高級ラインも展開。婦人服のほか、紳士オーダーメードシャツラインも展開する。

 カスタマイズは無駄なものを生産せず、在庫も残さないという点でサステイナブル(持続可能)な潮流にも合致している。

 三陽商会のライフスタイルブランド「アポリス」は19春に本格デビューする。2004年にラーン&シェー兄弟が米国ロスアンゼルスで立ち上げたブランド。「地球の市民」をブランド哲学に掲げて世界規模で雇用を作る。マーケットバッグはバングラデシュの職人がジュートを素材に生産。服飾雑貨、生活雑貨のほか、カジュアルウエアを販売する。

 寄付ではなく、発展途上国の経済発展の橋渡しとして、ビジネスを構築、持続するのが特徴。市場にはエシカルファッションブランドもあるが、社会貢献に取り組むブランドとして、11月末にEC販売を開始する。

 レナウンの月額制・ビジネスウエアトータルサポートサービス「着ルダケ」は、利用者に春夏・秋冬のシーズンごとに2着、または3着ずつスーツが届けられ、オフシーズンにはクリーニング、保管、衣替え、引き取りまで一括して行われる。消費者の価値観は「所有」から「利用」にシフト。とはいえ、モノのシェアリングでは、「サービス・製品の衛生面で懸念がある。着ルダケの最大のポイントは自分のスーツとして他人とシェアしない点」(レナウン)にある。

 サプライチェーン全体をデジタル化し、コストも抑制する生産系、消費者の価値観の変化に対応するニーズ型など、新ビジネスは今後も試行錯誤しながら挑戦が続くとみられる。