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東洋紡/エアバッグ原糸生産再開めざす/当面はPHP社生産品で代替

2018年11月12日(Mon曜日) 午後3時45分

 東洋紡は9月に敦賀事業所で発生した火災でエアバッグ原糸と衣料用ナイロン、クッション材「ブレスエアー」の製造設備が焼失したことについて、特にエアバッグ原糸は時期未定ながら敦賀事業所での生産再開を目指す方針を明らかにした。楢原誠慈社長は「自前の原糸を持たないエアバッグ事業はあり得ない」と強調した。

 敦賀事業所での火災に関して現在、原因究明を進めると同時に再発防止策を講じている。2018年4~9月連結決算で焼失設備や火災による異常操業費用として21億円を特別損失として計上した。ただ、固定資産や棚卸資産の損害額は確定しておらず、保険金の受取金額も未確定のため、被害総額は判明次第、開示するとしている。

 エアバッグ原糸は敦賀事業所での生産が停止していることから、当面はグループ会社である独PHP社の生産品を中心に、一部グループ外からの調達も含めて代替する。楢原社長は「当社とPHPの原糸は互換性を確保している。このため供給先の承認も得やすいだろう」との見通しを示す。

 今後に関しては「まずは出火原因の究明と再発防止策を講じることが最優先」とした上で、「自前の原糸を持たないエアバッグ事業はあり得ない。時期は明言できないが、いずれ生産を再開したい」との考えを示した。そのためのプロジェクトチームも社内に立ち上げた。

 一方、衣料用ナイロンに関しては協力関係にある海外企業に技術指導する形で代替生産する方向で調整を進めている。今後の生産に関しても「元々、衣料用ナイロンは規模が非常に小さかった」ことから、委託生産に切り替えることも選択肢として検討する。ブレスエアーもPHP生産品による代替のほか、国内の協力工場に設備を導入することで委託生産する方法なども検討する。

〈繊維・商事は黒字浮上〉

 東洋紡の2018年4~9月期連結決算は売上高1647億円(前年同期比2・1%増)、営業利益106億円(0・9%増)、経常利益87億円(3・7%減)、純利益39億円(35・2%減)だった。敦賀事業所火災による特別損失計上で純利益は大幅に減少した。(短信既報)

 産業マテリアル事業は売上高326億円(7・1%増)、営業利益19億円(14・7%減)だった。エアバッグ基布は海外販売が拡大したが原料価格高騰の影響を受けた。スーパー繊維は「ツヌーガ」が好調も「イザナス」「ザイロン」が苦戦。生活・産業資材はバグフィルター用PPS繊維や「ブレスエアー」が好調だったが不織布は原料高騰で苦戦した。

 繊維・商事事業は売上高317億円(6・0%減)、営業利益6100万円(前年同期は営業損失1億7600万円)となり、黒字浮上した。中東向け織物は現地の市況低迷で販売が低調だった。ユニフォームも販売が伸び悩んだ。インナー用途は堅調に推移し、スポーツ製品も回復した。

 通期は連結売上高3400億円(2・7%増)、営業利益230億円(3・9%減)、経常利益180億円(11・8%減)を見込む。敦賀事業所での火災事故の損失額が未確定のため純利益は未定。