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一本の糸が魅せる物語 北陸ヤーンフェア2018レビュー(11)/糸展ながら異彩の出展も

2018年11月12日(月曜日) 午後4時3分

 河辺(奈良県大和高田市)は「北陸ヤーンフェア2018」に初出展した。靴下用の糸商として知名度は高いが、「強化する編み地用の新規開拓」(ニット部の桃田裕司課長)を狙いに参加した。

 同社は4500色もの色糸を備蓄販売する。主力は靴下などのレッグ用だが、昨今は編み地用が拡大基調。糸売り全体の10%程度にまでなっていると言う。同展では紡績糸はもちろん、ポリエステル、ナイロンなどの長繊維も提案した。

 織工房風美舎(福井市)の展示も一風変わっていた。糸展でありながら、主力の法衣織物に活用するカラミ織物技術を生かして開発した照明器具「モアレマジック」を出品したからだ。もちろん、初出展。「異質なので、逆に目立った。さまざまな来場があったが、こうした川中企業の生き方があることを示すことができた。知名度を高める上でも効果があった」と澤田勝取締役は振り返る。

 初出展組には大手企業もあった。伊藤忠商事だ。ウールの最新素材と生地に加え、米国・ユニファイのペットボトル再生の長・短繊維「リプリーブ」、そして台湾・興采実業(シンテックス)が開発したコーヒーの絞りかすを再生ポリエステルに分散させた「S.カフェ」というサステイナビリティー(持続可能性)を意識した提案を行った。

 リプリーブはスポーツウエア中心に海外で採用されているが、「製品にリプリーブを使っているかどうかを見分けることができる」のが特徴。このシステムはあまり聞いたことがなく、面白い。S.カフェも欧米先行で中国、台湾でも採用されており、台湾ではスターバックスのユニフォームに採用済み。その他の採用実績を製品で紹介したが「1トンの糸で1トンのコーヒーの絞りかすを回収できるというストーリー性や速乾性、紫外線防止などの機能性、そして海外の採用実績から来場者の関心は高かった」と言う。

 こうした海外糸には主催者も期待する。福井県繊維協会の藤原宏一会長(広撚社長)は、同展初日に催された交流会の冒頭、あいさつに立ち「5年、10年と続けながら、希望としては海外の原糸メーカーの出展、海外からの来場者が訪れる北陸国際ヤーンフェアを目指したい」と意欲を示していた。