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JFW-JC、PTJ開催(3)/JFW―JC2019&PTJ19秋冬/有力出展社紹介

2018年11月19日(Mon曜日) 午後4時11分

〈宇仁繊維/「マルチ」で複合進める〉

 宇仁繊維(大阪市中央区)は19秋冬シーズンテーマを「マルチ」とし、多彩な組み合わせによる独自の生地を打ち出す。

 組み合わせるのは、色と色、糸と糸、柄と柄、ジャカードとプリント、天然繊維と合繊、加工と加工など多岐にわたる。

 軸の一つは増強一途のジャカード織物。ポリエステルを軸に綿でもジャカードの開発、生産を加速しており、プリントとの融合なども試みながら提案を強化する。

 トレンドに乗る天然調合繊も、ウール調や麻調などで充実させ、秋冬対応としてポリエステル短繊維使いや起毛加工などの開発にも力を入れる。

 デジタルプリントでは柄開発チームを設けて開発を加速するほか、「ライクラT400」使いなどのストレッチ素材、ほどよいハリ感とほどよい肉感のある生地などを取りそろえる。

〈播/インディゴシリーズ充実〉

 産元商社の播(兵庫県西脇市)は今回のPTJで、「ヘソデニム」などのインディゴシリーズやレディースブラウスをターゲットにしたキュプラ繊維の織物などを取りそろえる。

 毎回広めのブースを構えて高い集客力を見せつける同社の今回の目玉の一つがインディゴ。ヘソデニムと名付ける播州織産地の糸染め業、播磨染工と共同開発した独自のインディゴ染め綿細番手を経糸に、麻や「テンセル」を緯糸に用いた織物を訴求するほか、三備産地のインディゴ糸を播州で製織した織物を、綿・ウール、綿・シルク、綿・ポリエステルなどで提案する。

 他にも、レディースのブラウス、アウター向けや、「ボタニカルダイ」などの環境配慮素材、ストールなどを多彩に打ち出す。

〈カゲヤマ/海外顧客の獲得狙う〉

 産元商社のカゲヤマ(兵庫県西脇市)のPTJ出展はほぼ皆勤で、備蓄機能と独自の企画開発力を武器に新規顧客を獲得してきた。今回展では「徐々にアジアのバイヤーが増えているため海外顧客の獲得を狙う」と販路拡大に取り組むとともに、既存顧客への新作披露としてもPTJを活用する。

 今回のイチ押しは、綿とカシミヤを複合したツイル。同社の人気シリーズである特殊起毛を施した「マイクロナップツイル」でカシミヤ混を投入した。トレンドを意識した配色と高級感のある風合いに仕上がっている。

 二つ目は綿100%のオンブレーチェック。オンブレーチェックに小紋柄を組み込み、見た目、目付ともにヘビーな仕上がりになっている。粗い起毛を施すことによってビンテージ感も付与した。

〈篠原テキスタイル/環境に配慮したデニム〉

 篠原テキスタイル(広島県福山市)は、10月に出展した「ファッションワールド」でエコやサステイナビリティー(持続可能性)への関心が高かったことを受け、得意とする「テンセル」やオーガニック使いなど独自性の強いデニムを打ち出す。

 「リバイヴデニム」は、緯糸にデニム地の反毛糸、経糸に坂本デニム(福山市)で電解水を使って低エネルギーでエコ染色した甘撚りのコンパクト糸を組み合わせることで環境に配慮。独特な色味とむら感を持ちながら、奇麗な表面感を持つセルビッヂデニムに仕上げた。

 2017年にタオル織機1台を導入し、デニム同様の表情・加工感とタオルのようなボリューム感と柔らかさを兼ね備えた「パイルデニム」を開発。他社にはあまりない独自性の高いデニム素材をそろえ、関心を高める。

〈溝呂木/高級、ボリュームの切り口提案〉

 ここ数年、PTJへの出展を続けているレース製造卸の溝呂木(東京都中央区)。同社は世界的なエンブロイダリーレースメーカーのフォスター ローナー社(スイス)とライセンス契約を結び、最新のトレンドやデザイン情報を掌握。サウラー社の最新エンブロイダリーレース機「エポカ7」を導入するなど、自社工場には最新機からこだわりの旧機まで、多様なレース機が並ぶ。

 今回のPTJでは高級ゾーンとボリュームゾーンという切り口で商品を打ち出す。同社の顧客で高級ゾーンの商品にトライするところが増えてきており、こうした流れを意識した提案となる。ボリュームを意識した商品も「誰もができる商品では同一化してしまう。レース専業メーカーとしての強みを生かした差別化を図る」と意欲的だ。

〈内外織物/独自原糸開発が加速〉

 産元商社の内外織物(兵庫県西脇市)はここ数回のPTJ出展でオリジナル新原糸からの提案に力を入れており、新規顧客も数社獲得した。今回も新原糸を投入し、さらなる拡販を狙う。

 オリジナル原糸の全体開発コンセプトは「紡績の技術協力により独自の原糸開発に乗り出す」というもの。その一環として今回は、特殊複合紡績技術を駆使した綿・ウール混、綿・アクリル混を開発、トップスからアウター、メンズからレディースまで幅広く提案する。

 前回展での提案でも好評を博した「フェザーコットン」の拡販にも力を入れる。先染めでは同社が国内独占販売する糸で、柔らかさと軽さが特徴。ストレッチとの融合も試みて着心地も追求した。ベビー・子供、寝装、メンズ、レディースなどに訴求する。

〈ササキセルム/尾州の素材などアピール〉

 ボトムやスーツ素材の生産を得意とするササキセルム(愛知県一宮市)はPTJで、尾州の素材やウール高騰に対応した商品、ダウンを入れた生地などを提案する。

 18秋冬では尾州産の引き合いが多かったことからボトムだけでなく、トップスやアウター向けの生地も訴求。リサイクルウールを使って、グレンチェックやウインドペインを組み合わせた大柄のツイードをそろえる。

 一方、ウール高騰で合繊100%の生地もラインアップ。ポリエステル100%のタスラン糸を使い、風合いをウールに近づけた。合繊のためイージーケア性に優れる。

 生地と生地の間に薄いダウンを入れた「ダウンファブリック」もアピールする。生地にダウンを吹き付けて張り合わせた3層構造が特徴。ウール100%よりも暖かさがあるという。

〈森菊/エコや持続可能性をPR〉

 三河産地の産元、森菊(愛知県蒲郡市)はPTJで、エコやサステイナビリティー(持続可能性)を打ち出した生地ブランド「ネイチャーアンドサンズ」を展開する。

 オーガニックコットンとシルクを使ったタイプライタークロスは、高級感や光沢感があるのが特徴。シルクは甘撚りにした絹紡糸で、柔らかな風合いを備える。

 経糸にオーガニックコットン、緯糸にウールと「テンセル」モダール混の糸を使ったオックスは、肌触りが良く吸放湿性に優れる。秋の立ち上がり向けの商品としてアピールする。

 同社はこれまでもエコやサステイナビリティーを意識した生地を展開していた。生地ブランドを作り一くくりにまとめて訴求できるため、顧客に分かりやすく伝えることができる。

〈鈴木晒整理/新たな風合い加工訴求〉

 染色整理加工の鈴木晒整理(浜松市)はPTJで、新たな風合い加工の「絹音(きぬね)」「ディアモイスト」のほか、受注が好調な「クリーズケア」加工を訴求する。

 絹音は生地が擦れ合った時に「キュキュッ」と絹の音色を感じるようなきしみ感のある風合いが特徴。さらに絹のような手触りと自然な光沢感もある。

 ディアモイストは起毛品向けに開発した加工。起毛した生地と組み合わせることで、色の深みを引き出し、上品な光沢感としっとりとした風合いを付与することができる。

 クリーズケアはイージーケア性、W&W性、シワの回復率向上、速乾性に優れており、春夏向け商品として受注は好調。今展では秋冬向けに訴求するため起毛素材に施した。多彩な機能は電子商取引(EC)向けに訴求できる。

〈古橋織布/綿や麻を中心に〉

 シャトル織機で高密度織物を製織する古橋織布(浜松市)はPTJで、綿や麻を中心とした織物を訴求する。

 経糸に綿、緯糸にウール・リネンの混紡糸を使った生地は、生地の所々にリネンのネップを表し、粗野な見え方が特徴。メンズ向けのアウターやボトム素材として訴求する。混紡糸はトップ染めで8~10色展開する。

 経糸に綿、緯糸に「テンセル」を使った生地はダウンプルーフ加工を施した。テンセルを配したことでドレープ感やとろみがある風合いに仕上げた。シャツやワンピース向けに提案する。

 ウール・ヘンプの混紡糸を使ったツイードは、過去に手掛けていた生地をリバイバルした。混紡糸は毛番3番、5番、20番のバリエーションがあり、それぞれ風合いが異なる。

〈日本形染/生地デザイナーとコラボ〉

 染色加工の日本形染(浜松市)はPTJで、地元のテキスタイルデザイナーとコラボした生地や、今展で初めて披露する加工技術を施した生地を提案する。

 遠州産地で製織したリネン100%の生地は浜松市在住のテキスタイルデザイナー、影山恵氏とコラボ。鳥をモチーフにした柄を同社のプリントで生地に表した。ブラック、ホワイト、ベージュの3色展開し、衣料や雑貨向けに提案する。この生地を使ったワンピースは同市の「麻の服たかか」が縫製を手掛けた。全ての工程を遠州で行った「オール遠州」の素材として訴求する。

 綿100%のキャンバス地は、新加工の「スノーメイク」を施した。プリントと浸染を複合させた加工で、染まる部分と染まらない部分があり表面に粉雪が舞ったような生地に仕上げている。

〈島精機製作所/サステイナブルなデザインシステム〉

 島精機製作所は、3Dデザインシステム「SDS―ONE APEX3」を実機展示し、最新の機能を実演で紹介する。

 SDS―ONE APEX3は、織物、丸編み、横編み、パイルいずれでも高品位なバーチャルサンプル、配色検討、プリントデザインの作成が可能。商品企画の効率化に威力を発揮し、デジタル化によるリードタイムの短縮を可能にする。サンプリングのコスト・時間に加えて材料の削減も可能なことから、サステイナブル(持続可能な)モノ作りを実現するデザインシステムである点も積極的に打ち出す。

 そのほか、コンピューター横編み機の新開発機構「i―プレ―ティング」によるインレイ柄とシンカー柄を組み合わせた最新のニットサンプルや、ホールガーメント横編み機によるニットウエアも展示する。

〈サンコロナ小田/インディゴ×「モルフォテックス」〉

 北陸産地をモノ作りの拠点とするサンコロナ小田(大阪市中央区)は今回のPTJで、「ドレスのみというイメージからの脱却」を試みる。ポリエステル薄地織物が主力ながら、秋冬展であることから肉厚のある生地も用意する。

 同社がファッション向け生地販売に力を入れ始めたのは数年前。カーテンを軸としたインテリア分野、ブライダルを軸としたドレス分野では高いシェアを誇るが、「ファッション分野は“新参者”」としてまずはインテリアやドレス向けに開発してきた生地を備蓄機能とともに訴求。その後、ファッション向けの生地開発を本格化した。

 ポリエステル100%のベーシックな梨地のカラーバリエーションや、経糸にインディゴ糸を、緯糸に「モルフォテックス」を使った色落ちする生地などがイチ押しだ。

〈杉岡織布/「ビワコットン」など訴求〉

 高島産地の機業、杉岡織布(滋賀県高島市)はPTJに過去4回出展してきたが、秋冬展に出展するのは今回が初。以前は高島織物工業協同組合の一員としてJFW―JCに6回ほど出展したこともある。

 イチ押し商品は、綿100%平織りのアキハグラデーション「高島ちぢみ」。綿ならではの使い勝手の良さと、先染め糸使いによるグラデーションの美しさが特徴。

 もう一つは同社の注力商材である「ビワコットン」。元々伸びるちぢみ生地だが、特殊な強撚糸を用いることで従来比約2倍の伸縮性を持たせた。生地だけでなくカイタックファミリーのTシャツブランドでもある。

 縫製品提案にも力を入れており今回展ではグラデーションのジャケットやビワコットンの縫製品を展示する。

〈第一織物/新規顧客開拓を加速〉

 第一織物(福井県坂井市)は過去6回のPTJ出展で新規顧客約150件を獲得している。今回展でも新規顧客開拓の加速に向け、独自の開発生地を取りそろえる。

 売り上げに占める輸出の比率が70%と高い同社は、「世界中の顧客から得た情報を元に独自開発した備蓄生地展開」が強み。

 その中から今回展で提案に力を入れるのが、2ウエーストレッチやシャリ感、ドライ風合いを特徴とするポリエステル100%の綾織り。生地表面の組織感も人気を呼びそうだ。

 その他、ポリエステル100%を軸に天然素材ライクな各種合繊生地を取りそろえ、イージーケア性や撥水(はっすい)性をアピールすることで顧客開拓を進める。

 近年は国内市場向けに力を入れており、その一環として同展を活用する。

〈丸井織物/ウール代替のE100%ツイル〉

 丸井織物(石川県中能登町)のPTJ出展は今回が14回目。直近4回は自販向けの自社生地ブランド「ノト・クオリティー」で出展し、国内バイヤーからの認知度が高まり、リピートも得ている。

 同展の成果としては他にも、「小売りやアパレルとの交流からコミュニティーが生まれている」ことがある。ここから新商品やプロモーションを企画開発するという新しい製販のスタイルが確立されつつある。今回展では「生地メーカーとしての原点に返る」としてあえて製品は展示せず生地のみに特化した訴求を試みる。

 今回展では、ブリティッシュウールを彷彿とさせる見え方ながら、軽くてシワになりにくく、動きやすいポリエステル100%ツイルを投入する。速乾性にも優れるためウール代替として人気を博しそうだ。

〈シモムラ/ソロテックス使いメイン〉

 シモムラ(石川県小松市)はJFW―JCに過去6回出展し「少しずつではあるが、認知度も高まり、得意とする糸加工を生かした商材への引き合いが増えている」と言う。

 今回展ではポリエステル・PTT(ポリトリメチレン・テレフタレート)繊維「ソロテックス」使いの綾織、ソロテックス100%の横編みセーターなどを提案する。

 ソロテックスを使った綾織りは天然繊維のような質感、ストレッチ性が特徴。ウインドーペインで訴求する。横編みセーターはソロテックスのソフト感を最大限に生かした。その他、ソロテックス先染め糸、ファンシーヤーンも出品する。

 同社はさまざまな糸加工機を持ち「糸作りにこだわる」。染め糸もブック販売し、小ロット短納期にも対応する。

〈新内外綿/サステイナブル素材を充実〉

 新内外綿は、スポーツとカジュアルの融合をテーマに“サステイナブル”(持続可能な)に焦点を当てた素材を重点提案する。

 サステイナブル素材として竹を開繊して製造する竹糸、オーガニック綿糸、天然由来染料による色糸「ボタニカルダイ」などを多彩なニット生地サンプルで紹介する。特にボタニカルダイは、旭化成の再生スパンデックス「ロイカEF」と組み合わせたニット生地を用意した。色糸に加えて弾性糸の採用でも環境負荷低減に取り組む。

 そのほか村田機械の渦流精紡機「ボルテックス」で紡績した糸も出展。再生セルロース繊維「テンセル」や綿とポリエステルの混紡糸に加えてポリエステル100%の杢(もく)糸も開発した。機能素材として抗菌機能ポリエステルとの混紡糸「リヨシルバープラス」も紹介する。そのほか主力の杢糸もトレンドカラーをそろえる。