中国の綿紡大手/ベトナム生産の拡大加速/米TPP離脱の影響なく

2018年12月05日(水曜日) 午前11時16分

 【上海支局】中国の綿紡績大手が、ベトナムでの生産能力の拡大を加速している。2017年1月に米国が環太平洋連携協定(TPP)から離脱した際は、投資が下火になるとの見方もあったが、実際はその影響をほとんど感じさせない。同国が多国間と結ぶFTA(自由貿易協定)や外資系企業への優遇政策、中国での生産コストの高騰を背景に、今後も活発な投資が続きそうだ。

 先染め織物大手、魯泰紡織はこのほど、ベトナムでのサプライチェーンの構築のため、6千万㌦を投資し、紡績(14・4万錘規模)とオープンエンド(OE)精紡を手掛ける子会社を設立すると発表した。同国での年産能力は現在、紡績6万錘、生地3千万メートル、製品600万枚で、グループ全体の6分の1を占める。劉子斌董事長は「ベトナムを中心にASEAN地域での生産規模の拡大を引き続き図っていく」と話す。

 同国での今年上半期の売上高は、前年同期比150%増えた。18年末には紡績7・6万錘を新たに稼働、19年後半には年産4千万メートル規模の先染め生地工場を開業する。近い将来、ベトナム生産のシェアは3分の1になり、グループ全体の粗利率の向上に貢献する。

 世界最大規模のコアヤーンメーカー、天虹紡織は06年にベトナム投資を始めた先駆者。現在の紡績設備は125万錘で、同国最大の紡績企業となっている。今後の生産能力拡大のために、今年2月には1・29億元を投資し、クアンニン省ハイハー工業団地の土地使用権を手に入れた。

 先染め糸の百隆東方は、同国での新工場の稼働が貢献し、18年第3四半期の業績が回復している。同国での生産設備は現在70万錘で、19年後半にはグループ全体の6割に当たる90万錘に拡充する計画を持つ。