台北ファッション事情(4)/新世代のセレクトが台頭/商品構成はアジアンミックス型へ

2018年12月06日(木曜日) 午前11時2分

 台北のセレクトショップを取材する上で、「ミックス」という言葉を耳にするようになった。これは飲食店やライフスタイル系店舗とのミックスや、アジアンブランドのミックスという意味で、ここ数シーズンの台北市場で浮上した注目のキーワードだ。

 ファッションエリアの「東区」で営業しているセレクトショップ「ホテルV」では、カフェを併設しているほか、本やライフスタイル雑貨、音楽系のガジェット(目新しい道具・小物)も配し、文化としてのファッションをトータルで訴求。ホテルのスイートルームを想起させる間取りやインテリアはデザイン感度も高い。

 ファッションでは「メゾンキツネ」「ホワイトマウンテニアリング」「ビズビム」といったブランドが人気で、キャラクター性や機能に優れたブランドに固定ファンが付いている。

 アジアンブランドのミックス型店舗も増えてきた。同エリアに出店するセレクトショップ「OHH!」の店内を見ると、台湾、日本、中国、韓国のブランドが並び、ユニセックスウエアが展開されている。店内では個性的なストリートウエアに身を包んだ男女が買い物を楽しんでいた。

 同ショップの店長であるアンソニー・ワンさんは「日本発の『ジョン・ローレンス・サリバン』が売れ筋で、特にメディア関係者のリピーターが多い。アジアのブランドを意識的に買い付けたことで、日本人や韓国人の来店も増えてきた」と近況を語る。

 こうした新世代のセレクトショップは、ブランドや性別、年齢層、商品構成といった従来型MDに縛られず、ショップの世界観を優先する傾向が強い。オリジナル商品の比率が極めて少なく、買い付け商品で勝負するバイヤーの気概を感じ取ることもできる。

 従って、上顧客や芸能人、インフルエンサーの関わりが重要で、会員制交流サイト(SNS)での発信にも熱心だ。東区に路面旗艦店を展開する「アーティファクツ」でも、アジアの有力ブランドを並べ、ストリート系のスタイリングを提案していた。

 新世代のセレクトショップが台頭する一方で、アーティファクツが買い付けた商品を見ると、数年前と比較し、単品の完成度や縫製レベルが格段にアップしている。特に台湾、韓国のストリートブランドはトレンド表現にたけており、かつ価格も良心的。台北のセレクトショップを見ると、画一的な日本のMDとは違うアジアの潮流を感じ取れる。