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スタイレム/対欧米輸出順調に拡大/需要予測と背景整備が奏功

2018年12月07日(金曜日) 午前11時2分

 スタイレムが順調に生地輸出を拡大している。谷田修一専務グローバル事業統括部門長によると、主軸の一つである欧米向けはメゾンブランドの開拓が進み、ここ5年で売り上げを2倍にまで拡大。外・外を含めると伸び率はさらに大きくなると言う。今後も欧米市場のニーズを先読みしながら開発を続け、拡大を図る

 欧米向け提案の軸になるのがパリの服地見本市「プルミエール・ヴィジョン」(PV)。今は発展的解消となった海外向け基幹生地ブランド「C.O.T.O.(シー・オー・ティー・オー=コレクション・オブ・タキサダ・オオサカ)」を携えてPVニューヨーク展に出展したのが2010年7月(当時は瀧定大阪としての出展)。9月にはパリのPVに初出展(同)し、日本の産地の力を結集した独自開発生地で欧米バイヤーを驚かせた。

 14年9月のPVでは「ZEN kiwami(ゼン・キワミ)」という新たなコレクションも追加した。シー・オー・ティー・オーは世界中から高い評価を受けたものの、ハイエンドゾーンに偏り過ぎたため実売にはあまりつながらず、より実売に向いたコレクションを投入した格好だった。この戦略通り、欧米向け生地販売はその後、拡大し続ける。

 同コレクションで意識するのは「欧米ブランドに響くメード・イン・ジャパン」。織り・編み、染色加工の99%を国産とし、リードタイムやプライス、ロットなどの生産背景を整えた上で現地ニーズを取り込んだ開発を心掛けている。以前は中級ブランドが主な販売先だったが、このブランディングが奏功し、メゾンブランドが一気に増えた。

 その後も、イタリア・プラート産地でモノ作りした「レティンテ」、同国のテキスタイルメーカー、ネロ ス ネロ社の創業者で前リモンタ社クリエーティブディレクターであるマウロ・クレリチ氏とスタイレムの韓国法人が協業した「ゼン・ブラック」、同氏がイタリア・コモ産地のモノ作りを監修したジャカード生地群「エディツィオーネリミタータ」などのコレクションを次々に投入し、欧米開拓につなげた。

 9月のPVでは念願だった「PVアワード」のイマジネーション賞も獲得。谷田専務は「コレクションの進化が目の肥えた欧米の審査員から認められたことがうれしい」と喜びを口にし、「次はグランプリを狙う」とコレクションのさらなる進化を期す。