両角みのりのイタリアモードの今 (11)

2018年12月20日(Thu曜日)

イタリアでも持続可能性

 近年イタリアでもサステイナビリティー(持続可能性、イタリア語ではSOSTENIBILITA=ソステニビリタ)が話題に上がることが多くなった。環境への配慮機運が高まる中、世界で2番目に汚染を引き起こしているのはファッション業界というショッキングな事実に向き合うべく、イタリアでは大手ブランドを中心にサステイナビリティー・シフトが加速している。

 今年3月には「ヴェルサーチ」や「フルラ」が製品に動物の毛皮を使わない「ファー・フリー」を宣言した。2016年に「アルマーニ」が、17年に「グッチ」が同様の宣言をして以来大きく普及し、ファー・フリー宣言にとどまらず「ファッション&サステイナビリティー講座」が各所で開かれている。

 イタリアファッション評議会とコンサルタント会社のエコエイジが「グリーンカーペット・アワード(GCFA)」を設立。イタリアファッション業界のサステイナビリティーへの貢献を称え、世界に発信するのが目的で、ラグジュアリーファッションとエシカル&サステイナブルを結ぶ多様なプロジェクトを実施するイベント。

 2回目となる今年のコンペでは、国内外の若手デザイナーがサステイナビリティーの概念を再定義するというコンセプトに従って挑戦する。優勝者は19年2月の「ミラノファッションウィーク」で自身のコレクションを発表する機会が与えられる。

 環境に配慮することがブランドのミッションとなっている中、「ドンダップ」はエコ・サステイナビリティー・プロジェクト「D/ZERO」の記者会見を行った。パートナーを組むのは、サステイナブルなデニム生地の開発で80年の経験を持ち、世界的リーダーである「カンディアーニ・デニム」。

 D/ZEROプロジェクトのキーポイントは①KM0(キロメートルゼロ)②サステイナブル・ファブリック③サステイナブル・ウオッシュ――。同じ哲学を共有する販売と製造のリーダーカンパニーが提携することにより、100%メード・イン・イタリーを強固なものとする。

 カンディアーニ・デニム社のエコ・サステイナブル・ファブリックを使用し、認定処理と洗浄工程を経たD/ZEROデニムは平均で水の消費を75%、洗浄過程での科学薬品の消費を20%、エネルギー排出量を58%減らすことが可能と言う。プロジェクトの目標は消費者の意識を高めることにより、地球の保護や環境の向上に貢献すること。D/ZEROデニムは19年2月、店頭販売が開始される。

もろずみ・みのり 15年前にイタリアに渡り、建築デザインとファッションを中心とした企業視察や通訳を務める。2016年からImago Mundi代表。