繊維街道 私の道中記 森弥毛織 社長 森口 和信 氏⑤

2018年12月21日(金曜日)

国産毛布の魅力を伝える

 森口は2010年、日本毛布工業組合の理事長に就いた。

 10年以降も組合企業数は減少し、現在68社です。ピーク時から思えば隔世の感がありますが、世代交代も進み、父の時代の組合員間の“競合”から“協力”の関係へと進みつつあります。

 1887年に国産毛布が泉大津の地で誕生してから130年の節目となる17年に、同組合は「毛布の日」(11月20日)を制定した。

 毛布の需要は、発展途上国で人口比10%、成熟した国で同5%といわれています。高度経済成長期の急速な毛布需要はともかく今なお推計約700万枚以上の毛布が年間に販売されていることを考えれば非常に毛布好きな国民性です。

 さらにさまざまな素材や製法で作られた日本製毛布は柔らかな肌触りと風合いを持っています。他国の毛布と比べると、日本の毛布の持つ独自の質感は世界一であると自負しています。これは毛布を体に直接掛ける、敷くという日本の生活習慣がまだまだ残っていることが関係していると思います。

 しかし、このような素晴らしい毛布があることを若い人たちは知らないのかもしれない。その思いが「毛布の日」制定やイベント開催につながりました。

 昨年に引き続き、11月18日に大阪・梅田「ビッグマン」前広場で行った「毛布の日」のイベントは、寝具製造卸11企業・団体の協賛を得て、まさに業界一丸となって行いました。多種多様な国産毛布約25点の特長や機能をアピールし、QRコードを付けてその小売店の案内や国産毛布の証しである「Qマーク」のPRもしました。

 父親の千代治は、泉大津商工会議所の会頭を務めた。果たす役割は違うが、同様に団体のトップに立つ身として、森口は思うことがある。

 父は市の知名度向上と何より毛布産業の振興に尽力したと思います。とりわけ、父が中心となって四十数年前に誕生させた「毛布祭」は現在、その名称を変えて街全体の大きなカーニバルへ発展しています。

 130年以上続く歴史を土台に、私たちの作る毛布は日本の住環境の変化に合わせて常に変化しています。われわれの産地は作ることはできても直接売るすべをあまり知りません。今後は日本製毛布の素晴らしさを消費者にいかに伝え、売ることができるのかが課題であり、挑戦です。

(この項おわり、文中敬称略)