メーカー別 繊維ニュース

2019年新春アンケート調査報告Ⅱ(1)/トップが語る今年の展望

2019年01月07日(Mon曜日) 午後2時49分

〈国内生産/厳しいが化合繊は拡大か〉

 4日付に続き、「新春アンケート調査」の調査結果を、トップのコメントとともに紹介する。回答者数は115社。

 「国内生産数量が拡大する工程」を複数回答可で質問した。当然かもしれないが、拡大する工程があると回答したのは115社中27社にとどまった。国内生産が依然として厳しい状況にあることに変わりはないが、化合繊については17社、不織布は15社、縫製は7社、染色整理と織布はそれぞれ5社が拡大すると答えている。

 化合繊は昨年も、拡大すると指摘する企業が最も多かった。「ウール、シルクなど天然繊維の高騰、エコをキーワードに化合繊素材が拡大」(三菱ケミカル)、「炭素繊維およびアラミド繊維は、引き続きその用途が順調に拡大すると見ている」(帝人)などがその理由だ。

 次に多かったのが不織布というのも順当だろう。「産業資材としてはもとより、化粧・衛生材など個人消費面でも用途の広がりがますます期待できる」(日清紡テキスタイル)、「自動車・産業資材用途など、安定的で堅調な需要・マーケットがある」(旭化成)ことなどがその背景にある。

 ただ、縫製の拡大を指摘する回答が7社あったのは意外だった。「国内で生き残った縫製工場は超短納期の対応で拡大する」(日本バイリーン)、「国内の縫製工場は壊滅的に減っているが、必要性が出てくるのではないか。即対応ができず、何が売れるか不透明な時こそニーズに合ったモノ作りが必要になってくる」(小森)などというのが、拡大するという理由。

 染色整理については、「中国での環境規制に伴い、拡大の可能性あり」(シキボウ)、「選択肢が無くなってきている」(森菊)などの理由で増加するとする企業があった。織布も、「中国の環境対策」(デサントジャパン)などが増加するとする理由に挙げられている。

〈オピニオン 宇仁繊維 社長 宇仁 龍一 氏/高級化と無人縫製に期待〉

  ――2018年を振り返ると。

 大手企業を中心に全体景気が安定した年でした。しかし、残念ながら繊維製品の消費は伸びなかった。ただこれは、大きなトレンド変化の予兆ではないかと見ています。

  ――と言うと。

 まず、二極化の流れの中で、高級感というキーワードが浮上してきます。その中で、新しい色柄も一気に出番を迎えそう。その代表がグレンチェックになるのではないか。当社も増強提案していきますし、市場を席巻するのではないでしょうか。機能性素材への脚光もますます強まるでしょう。

  ――大きなトレンド変化があったとして、それを作るスペースがタイト化しています。

 産地のスペース不足、人手不足は深刻です。設備更新ができるのは一部の大手のみ。中小零細の産地企業は設備更新にかける資金を持ち合わせていないし、もはや部品が生産されていない機械もあり、修繕もできない。そうしてスペースが不足していく。日本が抱える大問題だと思います。

  ――解決策はあるのでしょうか。

 自販はポイントだと思います。自分で作り自分で売る。この意識がもっと広がり、成功事例が出てくれば、産地にお金と人が集まる。当社も設備の貸与や安定発注などで最大限フォローしていきます。

 縫製の自動化にも期待したい。無人化となれば人件費の安い外国で縫う必要はなくなり、国内のスピード感が重視されてくる。そうなればわれわれのような国産生地の供給者の出番も増えるし、産地存続の道も開けてきます。