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2019年新春アンケート調査報告Ⅱ(4)/海外販売/重視する国は今回も中国/欧米の産業資材にも期待

2019年01月07日(月曜日) 午後2時52分

 少子高齢化が進む日本の繊維産業の発展には、海外市場の開拓が欠かせないだ。「海外での販売(輸出・内販)を拡大するか」との問いには前回同様、回答企業の85%が「する」と答えた。「拡大する場合、重視する国はどこか」を複数回答可で聞いたところ、首位は今回も中国。本調査開始以来同国の首位は動かない。

 中国市場に期待する企業が多いのは、「消費市場として着実に拡大・成長し続けている」(蝶理)、「今後20~30年は成長する市場」(第一織物)と見ているため。改めて言うまでもなく既に多くの企業が、同国市場を狙った売り込みを行っている。このため、その難しさを知る企業も多い。日本の繊維産業にとって中国は有望な市場ではあるが、開拓は簡単ではない。腰を据えた取り組みが求められる。

 中国に次ぐ2位グループも、これまでと同じEUと米国。欧米の展示会への出展などを通じて日本企業の多くは、日本のモノ作りの技術を高く評価してくれる顧客が少なからず存在することを既に確認している。このことが期待度の高さにつながっている。「まずはEUで実績を積み、将来的にはその実績を利用して米国市場にも進出できればと考えている」(東光商事)など、各社各様のアプローチが進むだろう。衣料だけでなく、産業資材分野に期待する声もある。旭化成は、「EU、米国市場は自動車を中心とした産業資材用途の中心消費地域であり、資材用途拡大における重要攻略市場と考える」と指摘する。

 欧米を、インドネシアとベトナム、タイの3位グループが追うという構図もこれまでと同じ。これら国々での内販の成功事例はまだ少ないが、期待度は今後ますます高まるだろう。日清紡テキスタイルはインドネシアについて、「成長の鈍化はあるものの、5%前後の経済成長率を維持している上に、一人当たり購買力平価GDPは1万㌦を上回っており、有望なマーケットになっていくと考えられる」と言う。

 選択肢として用意した以上の国以外では、インド、韓国、台湾、香港、メキシコ、豪州、フィリピン、アジア圏、中東といった回答があった。

〈オピニオン/スタイレム 専務 グローバル事業統括部長 谷田 修一 氏/アジャストする力必要〉

  ――2019年のファッション市場はどうなるとみますか。

 欧米はメゾンブランドとグローバルSPAの二極化が進むでしょう。そのターゲット顧客の中心は中国です。同国では新興アパレルがさらに増えていくでしょうが、その分、浮き沈みもさらに激しくなるのは間違いないと思います。

  ――生地を世界に売っていくために必要なこととは。

 顧客のニーズにアジャストすることが最も重要。顧客が求める商品、リードタイム、プライス、品質を提供できるかどうかが成否の鍵を握ります。

  ――日本の生地関連企業にとって、輸出拡大は悲願です。

 日本の産地には優れた“工”の力があります。それは世界にも認められている。ただ、クリエーション(創造、創作)の部分では欧州の産地のレベルが高く、当社も含め日本の産地においても、より力を入れていく必要があると感じています。当社が「ゼン・キワミ」や「ブラック」「レティンテ」など生地のブランディングに力を入れ、「プルミエール・ヴィジョン」などでシーズンごとに新商品を発表しているのは、クリエーションを重視するためです。各ブランドが欧米や中国のバイヤーに認知され、売り上げも伸びています。

  ――純輸出だけでなく、海外法人などを活用した外・外ビジネスにも可能性があります。

 顧客にアジャストする力があれば、拡大は可能だと思います。当社が拠点を置く、香港含む中国、イタリア、インドで実績を積んでおり、韓国でもスタートしました。